7月5日 鎌倉幕府に組織の困難を見る
7月5日ですね。
「鎌倉殿の13人」ですが、先日の日曜日に放映された回で、大泉洋さん演じる源頼朝がこの世を去りました。
この大河ドラマで提示された大泉洋さんの演技は、私にとって今後の頼朝像の基準になりそうな気がします。
次回からは後半戦。いよいよ合議制の13人体制が発足し、御家人が皆で二代将軍の頼家を補佐していく流れになるのでしょう。
この大河ドラマは組織の意思決定の在り方を見る上でとても参考になります。
一人のトップのカリスマ(源頼朝)が決めた方針で突き進む。その時、御家人が持つそれぞれの願い、例えば坂東武者としての矜持や坂東という場所にとらわれた考えは、頼朝によっては一蹴されます。トップが強い意志を持ち、意思を貫徹させる統制を組織に敷けば、組織は急速にまとまり、迅速に目的を達成できます。
だからこそ、1180年の挙兵からたった12年間で源義仲、平家一門、奥州藤原氏を平らげ、征夷大将軍にまで上り詰められたのだと思います。
これが二代将軍頼家になると若年で統率力も備わっていません。となると、13人の合議制を採用する道しかなかったのでしょう。
頼家は、修善寺に幽閉されて自害させられる末路をたどります。さらに残された御家人同士で陰謀と闘争が巻き起こります。
そして、鎌倉幕府の実権は北条氏が握ります。合議制の敗北です。
今の私たちの感覚で考えると、合議制があるべき理想に思えます。
カリスマトップは孤独です。トップを襲う孤独の姿を、今回の大泉洋さんは演じてくれたと思います。
また、トップが道を誤るとどのような悲劇が国を襲うのか。ナチス・ドイツやソ連のスターリンがそれを証明してくれました。今の海外の指導者にもそうした孤独と危うさが感じられます。
源頼朝が上り詰め、亡くなってから800年がたちました。今、私たちはどのような形で組織を運営するのがよいのでしょう。
800年たって、人は成長したのか、それとも人間は800年たっても同じだと古人に笑われるのか。
私も古人に笑われないように組織を運営しなければと考えています。
馴れ合いに堕してしまうのはよくありません。が、メンバーの言葉を聞かずにトップが突っ走らないようにしないと。孤独は経営者の本質ですが、だからといって自ら殻に閉じこもらないうようにしないと。
日々、悩みながら考えていこうと思います。