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灰汁詰めのナヴォー

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2021年4月の記事一覧

I became SAGA in 佐賀 3

I became SAGA in 佐賀 3

「こんばんはッ!自分ゾンビにも友情の手の会の者ですッ!お二人方もゾンビ人権に興味があるんですかッ!?」

 サヌライヘア、使命感を秘めた真っすぐな目、丸みのある豊潤な頬、程よく焼けた銅色肌、自身が満ち溢れる微笑み。服越しでも存在感を放っている分厚い大胸筋、上腕二頭筋と三頭筋が切れに切れて、袖が今にも裂けそうだ。絡まれたらその上ない面倒なタイプと瞬時でわかった。とりあえずなんとかやり過ごそう。

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I became SAGA in 佐賀

 潮風。有明海。泥の上に跳ねるムツゴロウ。大きなハサミを振ってアピールするシオマネキ。

「ウボァァァァ……」

 そしてそれらの生き物を捕食しようとしている泥にまみれたゾンビ。泥に足を取られ、躓きながら魚とカニに近づくも、その鈍い動きが干潟に適応した動物に気づかれて、一目散された。「ウボァッ!」ゾンビが顔を下に向けてボチャンと泥の中に倒れた。その哀れな後頭部に狙い定めようと努めた。

 リアサイ

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