柳川穂太郎

人外と人間が幸せでいてくれたらそれでいい。病んでれてる男の子が好き。ハピエンもメリバも…

柳川穂太郎

人外と人間が幸せでいてくれたらそれでいい。病んでれてる男の子が好き。ハピエンもメリバもバドエンもなんでも好き。それでも僕らは幸せになりたい。許されるなら、ずっと一緒がいいよね。 コメント等お気軽にして頂けますと大変光栄に存じます。ぴょんぴょこ飛び跳ねながら喜びます。

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おやすみ、コットンキャンディー

「僕たちきっと、幸せにはなれないよ」  その声は震えていた。ぴんと張り詰めた糸が途切れてしまった気がしていた。  きっかけはいつからだろうか。ひょっとしたら、今…

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ぜろばん

「君は漸く人間に成れたのさ」  その言葉は真綿のように優しかった。  赤と青のオッドアイの瞳を甲斐甲斐しく伏せて、口元には笑みを浮かべ、いたって無害そうにそいつ…

おやすみ、コットンキャンディー

「僕たちきっと、幸せにはなれないよ」

 その声は震えていた。ぴんと張り詰めた糸が途切れてしまった気がしていた。

 きっかけはいつからだろうか。ひょっとしたら、今日はこんなことがあったねえなんてさりげなく交わしていた日常の対話が原因なのかもしれないし、そうじゃあないのかもしれない。それか、あの夏に二人だけで背伸びして出掛けて、人影を恐れながら食べたコットンキャンディーがキーになったのかもしれない

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ぜろばん

「君は漸く人間に成れたのさ」

 その言葉は真綿のように優しかった。
 赤と青のオッドアイの瞳を甲斐甲斐しく伏せて、口元には笑みを浮かべ、いたって無害そうにそいつは言ってくれた。

 カツカツと靴音が響いていた。鼻につくアルコール臭は、幾度も嗅いでいると頭の芯が痛くなってくる。新設されたばかりの病院のように手入れが行き届いている此処は、招かれた人しか足を踏み入れることを許されなかった。
 ぼくはこ

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