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愚かな魔王は美しい勇者に恋をしました

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僕たちは、ほんとうにたまたま勇者と魔王であっただけなのに。 六ペアの魔王と勇者の悲恋の始終を短編小説でしたためています。
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おやすみ、コットンキャンディー

「僕たちきっと、幸せにはなれないよ」

 その声は震えていた。ぴんと張り詰めた糸が途切れてしまった気がしていた。

 きっかけはいつからだろうか。ひょっとしたら、今日はこんなことがあったねえなんてさりげなく交わしていた日常の対話が原因なのかもしれないし、そうじゃあないのかもしれない。それか、あの夏に二人だけで背伸びして出掛けて、人影を恐れながら食べたコットンキャンディーがキーになったのかもしれない

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