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ドラマ日記『青天を衝け』(33話)

“日本資本主義の父”と呼ばれる、渋沢栄一(吉沢亮さん)の激動の人生を描く、大河ドラマ第60作『青天を衝け』の第33話。西南戦争もオールカットなど、相変わらずメリハリの利いた大森美香さん脚本。

小野組が放漫経営で倒産し、多額の貸しつけをしていた第一国立銀行も、連鎖倒産の危機に陥る。さらに三野村利左衛門(イッセー尾形さん)は、この機に乗じて第一国立銀行の乗っ取りを目論む。銀行を守るため、栄一は、三野村との一世一代の大勝負に出る。

大勝負になんとか勝った栄一に、大久保利通(石丸幹二さん)が外国商人の蚕卵紙買い控えを相談し、栄一は奇策で対抗。喜作(高良健吾さん)言うところの「10年越しの焼き討ち」の炎は、明治を待つことなく死んでいった志士たちへの供養のようでもあり。

金を崇拝するようになった日本人への危惧を口にした三野村はナレ死。大久保暗殺シーンは描かれることなく、セリフのみ。西南戦争はオールカットで戦費のみで表現。西郷隆盛(博多華丸さん)の死も、新聞掲載で知らされるという具合。この大胆な構成が大森流。

次週は、論語に立ち返ることにした栄一と岩崎弥太郎(中村芝翫さん)という、価値観が根本的に違う二人が激論を交わすようで、中々の見もの。現代日本にも通じる話になりそうです。



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