ドラマ日記『わたしのお嫁くん』『それパク』『隣の男はよく食べる』（初回）
仕事は完璧ながらズボラ女子の速見穂香（波瑠さん）が、あることをきっかけに、会社の後輩で家事力最強男子の山本知博（高杉真宙さん）を嫁に迎えるという社会派コメディ『わたしのお嫁くん』の初回。
ある日、営業部で花見が開催されることに。その夜、山本は、酒に酔った勢いで速見のマンションを訪れる。速見が忘れていったハンカチを届けるためだった。突然のことに焦りまくる速見。そこで山本が目にしたのは、普段の速見からは想像もできないほど散らかり放題の汚部屋で…。
下積みも長かった波瑠さんですが、主演した朝ドラ『あさが来た』（2015年）が大ヒットしたことで、主演女優の地位を固めました。『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』（2016年）で民放連ドラ初主演以来、毎年1～2本連ドラ主演を務めています。
実際には多様な役を演じていますが、個人的にはラブコメのイメージがあります。『世界一難しい恋』（2016年）、『サバイバル・ウェディング』（2018年）、『＃リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』（2020年）など。今回の作品もまさに王道ラブコメ。
『逃げ恥』と同じ宇梶剛士さん＆富田靖子さんが両親設定で、早く結婚するよう迫られていたり、仕事先の社長から息子の嫁になってくれないかと依頼されたりと、古い世代の価値観を敢えて出してくることで、家事における男女逆転の速水と山本の関係を際立たせています。
朝ドラ『舞いあがれ！』の刈谷先輩の九州男児イメージもあった高杉さんですが、その演技力で完全に上書きされました。子犬系男子爆誕！『家政夫のナギサさん』風味もあり。手堅くまとめてきた（置きにきた）印象ながら、最後まで面白く見られそうです。
情報漏洩の疑いをかけられた飲料メーカーの開発部員・藤崎亜季（芳根京子さん）が、親会社の知的財産のプロ・北脇雅美（重岡大毅さん）とともに、特許を取り戻すために奮闘することになる知的財産エンタメドラマ『それってパクリじゃないですか？』の初回。
月夜野ドリンク開発部の新米社員・藤崎が手掛けた新ドリンクのボトルのデザインが、ライバル会社に盗まれた！部長の高梨（常盤貴子さん）に情報漏えいを疑われた亜季は否定するものの、営業部を外されてしまう。そんな中、問題解決のために弁理士の北脇が親会社から派遣されてくる。
水曜日同時間ドラマ対決で注目されている波瑠さんと芳根さん。共に『あさが来た』『べっぴんさん』と朝ドラ主演経験者ですが、芳根さんは朝ドラ後、主演よりもヒロインにキャスティングされることが多く、今回の作品は2021年の『半径5メートル』以来の主演となります。
『競争の番人』と同じく、あまり知られていない分野のお仕事ドラマで、難しい用語もわかりやすくする演出は丁寧。ストリー的には想定の範囲内の無難な仕上がりですが、芳根さんの演技だけで充分楽しめました。
重岡さんは『雪女と蟹を食う』ではヤサグレた役を演じていましたが、今回はクール男子。徐々にデレていく展開も見どころになるのでしょう。恋愛系にまで振るのかどうかは、今のところ不明。
長年恋から遠ざかっていた料理上手な独身オトナ女子・大河内麻紀（倉科カナさん）の手料理をきっかけに始まる、肉食年下イケメン男子・本宮蒼太（菊池風磨さん）とのピュアで不器用なムズキュンラブストーリー『隣の男はよく食べる』の初回。
麻紀は、自宅の鍵をなくし自分の部屋の前で佇んでいた。隣の部屋に住んでいる年下男子・蒼太が偶然通りかかり、バルコニーを借りることに。蒼太のおかげで自分の部屋に入ることができた麻紀は、後日お礼に出張土産と手料理を渡しに蒼太の部屋を訪れる。
波瑠さんや芳根さんと同じく、倉科さんも朝ドラ主演女優。2009年に放送された徳島が舞台の『ウェルかめ』です。平均視聴率が「歴代ワースト1」という不名誉な記録は、今も破られていません。
そんな倉科さんですが、2017年の『奪い愛、冬』辺りから再浮上してきた印象。2022年の『正直不動産』『寂しい丘で狩りをする』など大人の女優として、確かな演技をみせています。今年の『大奥』柳沢吉保役も絶賛されていました。
そんな倉科さんが、実年齢と同じ35歳のキャラを演じる本作。恋愛以外は完璧で、それはそれでありなのではという人生を歩む麻紀ですが、道は一つではありませんから、蒼太との出会いで、突然のキュンとする感じがよく出ていました。
Ｗ主演の菊池さんというと、前クールの『大病院占拠』の青鬼役が記憶に新しいですが、恋愛ものですと、昨年の『ファイトソング』や黒島結菜さんが主演した2016年の『時をかける少女』がありました。今回は突然のバックハグから「今すぐ食べたい」と肉食系が前面に出たキャラのようです。
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