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ドラマ日記『新宿野戦病院』(初回)

新宿区歌舞伎町の「聖まごころ病院」に、突然アメリカ国籍の元軍医であるヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子さん)が降臨。美容皮膚科医の高峰享(仲野太賀さん)と出会い、歯車が動き始める救急医療エンターテインメント『新宿野戦病院』の初回。

NPO法人「Not Alone」の新宿エリア代表・南舞(橋本愛さん)が海外向けに歌舞伎町の魅力をアピールする動画を撮影していると、泥酔しているヨウコ・ニシ・フリーマンと遭遇する。

「コント」とは「寸劇」を意味するフランス語ですが、日本ではお笑いの一ジャンルと言う見方が一般的。とはいえ、それが寸劇である以上、「コント」的なドラマがあってもおかしくはなく。

恐らくは意図的な小池栄子さんの怪しげな英語と岡山弁、塚地武雅さんの看護師ぶり、柄本明さん演じる院長のAVに関する件など、明らかにコント的な手法(と情報量過多)を目くらませにして、歌舞伎町のディープなテーマを取り上げようとしているようです。

かつて歌舞伎町では「浄化作戦」なるものが繰り広げられました。朝ドラ『虎に翼』でも戦争孤児を排除して街の「浄化」が行われましたが、お上が使うこの言葉の上から目線感のいかがわしさ。暴力団「追放」といいますが、追放された彼らはどこに行くのでしょう?

ヨウコが言った「平等に雑に助ける」が、恐らくは本作の中核であり、特に「雑に」という点が重要なのだろうなと。上から目線で理想を語る『虎に翼』の寅子的な視点ではこぼれ落ちる者たち。

84点から取りこぼされた16点の人間が、この世には必ず存在するという現実と向き合い、共存する道を「雑に」模索する緩やかでしたたかな社会の方がよくない?とクドカンは言っているようにも見えます。少なくとも、「浄化された街」よりは、「季節のない街」の方が、人は活き活きとしていられる気がします。

コント的な演出が、結構滑り倒していた初回でしたが、徐々に馴染んでくるのでしょう。視聴継続。


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