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『進撃の巨人』の町と福岡大渇水

13日に放送予定の『ブラタモリ』のサブタイトルは「進撃の日田」。大ヒット漫画『進撃の巨人』の作者・諫山創さんの故郷・大分県日田市大山町が登場するようです。

2005年に日田市に編入合併された旧大山町。昨年『進撃の巨人』の銅像も設置された同地にある大山ダムは、治水以外に利水の目的もあり、その半分は福岡都市圏で使われています。

どうして大分の山村から、はるか離れた福岡市まで水がやってくるのか?きっかけは、昭和53年(1978年)の「福岡大渇水」にあります。給水制限は実に287日に及び、最も厳しい時期には19時間断水(5時間給水)となり、自衛隊も派遣されました。

元々、大きな河川がない福岡市。急激な人口増に伴う水需要に、ハード面での対応が追い付いていなかったことが原因でした。以降、節水意識の啓発と同時に、水資源開発に向けて邁進。筑後大堰を経由した筑後川からの取水を可能にしたほか、大山ダムなど新規ダム開発をすすめてきました。

福岡市の人口が100万人を突破したのが1975年。1994年には再び渇水に見舞われ、給水制限295日(ただし、最大12時間断水)を経験しましたが、人口は伸び続け、2013年に150万人を突破。現在160万都市となっています。

『進撃の巨人』の諫山創さんが、デビュー前に博多区の専修学校で学んでいたように、福岡市は九州各地から若者を集め、一極集中は今も加速。街は繁栄を続けていますが、「水」というアキレス腱があることは、頭の片隅に置いておいた方がいいでしょう。


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