ドラマ日記『妻、小学生になる。』&『となりのチカラ』(初回)
亡くなった妻・貴恵(石田ゆり子さん)が生まれ変わり、小学生(毎田暖乃さん)となって夫・圭介(堤真一さん)と娘(蒔田彩珠さん)の前に現れる、家族再生の物語『妻、小学生になる。』の初回。予想をはるかに超えるクオリティー。設定だけで、見るのを回避していた人はもったいないかも。
最愛の妻を亡くして10年間…失意とともに余生を過ごしてきた愛妻家と大人になりきれない娘。同じ家に住んでいるのにバラバラな2人の前に、ある日突然、見知らぬ小学生が現れる。
“生まれ変わり”というものを、非科学的と考える現代人からすればトンデモ設定の本作。小説やマンガなら許容できても、それを実写化するとなるとなかなかの難問。『秘密』のように、ある程度の年齢の女優を使うならまだしも、10才の現役小学生を起用するのはさすがに…という不安は杞憂でした。
朝ドラ『おちょやん』で杉咲花さん演じるヒロイン・千代の幼少期を演じた毎田さん。最初は大丈夫かな?という感じでしたが、石田さん演じる貴恵のシーンが重なるごとに、“生まれ変わり”に見えてきて。彼女の演技力もさることながら、今回は受け芝居の堤さんの凄さを改めて再認識。
妻が“生まれ変わり”したことを確信し、少々暴走気味の圭介。小学校前で貴恵にハグするは、「18才になったら結婚しよう」とプロポーズするは、傍から見れば完全に犯罪者案件(笑)。とはいえ、二人乗りシーンが最高。
『全裸監督』で注目され、『おかえりモネ』で広く知られるようになった森田望智さんが、圭介の年下の上司・好美役で『恋する母たち』以来のTBS金曜ドラマに再登場。今回はヒロイン風に見えるので、いずれ小学生の貴恵の記憶がなくなり、二人が結ばれるのかな。吉田羊さんも今後が怖い役。
思いやりと人間愛は人一倍ながら、中途半端な男・チカラ(松本潤)が、同じマンションに住む住人たちの悩みを解決していく社会派コメディ『となりのチカラ』の初回。好き嫌いは別にして、大御所脚本家・遊川和彦さんらしい作風でした。
とあるマンションに移り住んできた中越家。優柔不断で困っている人を放っておけない性格の夫・チカラと、しっかり者の妻・灯(上戸彩さん)、ちょっぴり大人びた娘(鎌田英怜奈さん)と無邪気な息子(大平洋介さん)…一家がやってきたマンションには、個性豊かな住人たちが暮らしていた!
主人公・チカラについて公式HPでは、かなり長文かつ、まだるっこい説明がされていたのですが、第一話を見て、これは大人の“発達障害”が裏テーマなのかなと。主人公にイライラするというネットの声は、恐らくその辺りが原因なのでは。
初回は、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で「I hate you」と母に言い放ったるい役を演じた古川凛さんと、モラハラ&児童虐待父(小澤征悦さん)の家庭にチカラが介入。1話完結でサクッと解決、という風にしないところがまた遊川流。正直微妙ではありますが、もう少し様子を見ます。
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