ドラマ日記『逃亡医F』『鹿楓堂よついろ日和』(初回)ほか

恋人殺しの濡れ衣を着せられ、指名手配を受けた天才外科医・藤木圭介(成田凌さん)が、真犯人を突き止め復讐するため、決死の逃亡をする医療サスペンス『逃亡医F』の初回。ツッコミながら楽しむ“トンチキ”ドラマでした。

指名手配された藤木は、事件の真相を追うため逃亡し、海洋観測船に潜伏するが、そこで出会った新米観測士・沢井美香子(森七菜さん)が不慮の事故で、利き腕に大怪我を負ってしまう!死んだ恋人(桜庭ななみさん)の兄・八神拓郎(松岡昌宏さん)が迫って来る中、逃げるのか…助けるのか!

『逃亡者』的なハラハラするサスペンスに天才外科医の医療ドラマを掛け合わせたようですが、医療監修が雑過ぎるというか、トンデモ手術でさすがにそれはない感。元自衛官の八神も、警察相手にムチャ過ぎの治外法権。これはツッコミながら楽しむ系だと悟りました。

久しぶりの森さんの演技を楽しめましたし、マッドサイエンティストっぽい安田顕さんが、部下の研究員が流す涙(頬)を舐める変態ぶりが最高(笑)。研究員を演じていたのは、堺正章さんの娘さんの小春さん。森さんとは『この恋あたためますか』でちょっとだけ共演しています。

生徒のイケメン率が異常に高い高校を舞台に、平凡な池田龍馬(細田佳央太さん)が、「選抜イケメン大会」の代表メンバーを目指す青春ドラマ『もしも、イケメンだけの高校があったら(#もしイケ)』の初回。冴えない男子にしか見えない、細田さんの役作りが凄い。

高校受験に失敗し、2次募集でなんとか“私立美南学園”に合格した、ごく平凡な高校生・龍馬。入学式当日、そこには眩しいほどのイケメンたちの姿が!なんと美南学園は、年に一度全国のイケメンたちが集まってイケメン度を競い合う、通称「選抜イケメン大会」の強豪校だった。

『ドラゴン桜2』や『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール』などですっかり知名度と演技への評価が高まった細田さん。満を持しての連ドラ初主演ではありますが、なぜにこの手の作品を選んだという気もしないではないですが、きっちり冴えない高校生に仕上がっているところはさすが。

昨今、そうでもない若手俳優をすぐにイケメン俳優と呼称する風潮がありますが、本ドラマのイケメンとされる高校生役も説得力があるのは一握り。一番のイケメンは、顧問役の速水もこみちさんだったという皮肉。細田さんの父親役で皆川猿時さんが出ている点は買い。

都会の片隅に佇む古民家風の和風喫茶店を舞台に、そこで働く4人の青年の姿を描く、癒し系飯テロドラマ『鹿楓堂よついろ日和』の初回。主演の小瀧望さんと同じジャニーズWESTの藤井流星さんが、双子役でサプライズ登場。

ヘタレで天真爛漫なお茶担当・スイ(小瀧望さん)、演歌と時代劇を愛する料理担当・ときたか(葉山奨之さん)、照れ屋でツンデレな毒舌最年少スイーツ担当・椿(大西流星さん)、奇怪なラテアートで周りを惑わす裸族ムードメーカーで珈琲担当・ぐれ(佐伯大地さん)がシェアハウスで大暴れ…⁉

今クールのテレビ朝日の土曜日は、『もしも、イケメンだけの高校があったら』『鹿楓堂よついろ日和』とイケメン系ドラマの二本立てでお腹一杯なところ、深夜に『封刃師』で締めるようです。

第一話はファーストサマーウイカさんがまずは導入部となり、お茶屋の主人役の伊武雅刀さんとの“対決”で深化させ、最後に藤井さんの不穏な登場が今後の展開を想像させるという、見事な構成でした。『夢中さ、きみに。』の大西君は相変わらず可愛いなあ。あと、猫は正義。

男を見る目が全くない、個性の違う三姉妹。暗雲漂う娘たちの未来のため、昭和の頑固親父・伊藤源太郎(吉田鋼太郎さん)が令和に立ち上がる、ラブ&ファミリードラマ『おいハンサム‼』の第2話。よく考えたら「ハンサム」=「イケメン」ドラマが土曜日は大渋滞。

娘たちを心配する源太郎は取引先の大森(浜野謙太さん)を気に入り酔った勢いで自宅に連れてくるが、大森は長女・由香(木南晴夏さん)が「ブサイクだからふった」元カレだった。翌朝、妻・千鶴(MEGUMIさん)や娘たちは何事もなかったかのように朝を迎える。

朝ドラ『ちゅらさん』で、 平良とみさん演じるおばぁと勝子(田中好子さん)に予知能力(胸騒ぎ)のようなものが備わっていたのですが、第2話では源太郎にも胸騒ぎが発動。不倫相手の家で修羅場を経験した由香を心配してか、ゴルフクラブを持って夜の街を徘徊。

一方、次女の里香(佐久間由衣さん)は焼き鳥の食べ方を巡って、夫(桐山漣さん)とケンカして里帰り。桐山さん、面倒くさい男役がハマるなあ。三女の美香(武田玲奈さん)には、新たな男性・大倉(高杉真宙さん)が登場するも、元カレ・ユウジ(須藤蓮さん)とまだ別れきれてない!?

記者の三條美緒(深川麻衣さん)が惨殺事件を追う中で目撃した「黒い灰」と二人の男、御沙神駆(早乙女太一さん)と五百津翔(遠藤雄弥さん)が絡む「刃」をテーマにした本格アクション活劇『封刃師』の初回。宣伝通り、圧巻の殺陣でした。

とある公園で男性の斬殺死体が発見された。一報を聞きつけ事件現場へと向かった週刊誌の若手記者・美緒は、死体から湧き上がる「黒い灰」を目撃。しかし、灰は他の人には全く見えていない様子。だが、美緒以外にも黒い灰を見つめている男(早乙女さん)が…⁉

事件の背景にあったのは典型的なパワハラ。上司や先輩を深く憎んでいた部下(佐野岳さん)の犯行でした。怒りや憎しみといった闇が深い人間に、何者かが近づき「穢刃」を渡し、それを所有するものが殺人を重ね、それを止めるのが「封刃師」ということらしく。

ダークな世界観を表現する映像に引きまれましたし、佐野さんもパワハラ被害者から、殺人者に変貌するまでを好演。なにより朝ドラ『カムカムエヴリバディ』でトミー役演じている早乙女さんの殺陣がキレキレで、これだけでも見る価値あり。『ちゅらさん』の和也役だった遠藤雄弥さんも、渋い俳優になりました。


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