見出し画像

ドラマ日記『半径5メートル』『あのときキスしておけば』(第2話)ほか

女性週刊誌の若手編集者・風未香(芳根京子さん)と、型破りなベテラン記者・宝子(永作博美さん)のバディが、身近な話題から世の中を見つめていく『半径5メートル』の第2話。風未香と山辺(毎熊克哉さん)の関係も進展しました。

ある日、企画会議で女性用風俗が話題になり、風未香は宝子と共に、様々な「出張ホスト」とのデートを体験取材することに。そんな中、デスクの丸山(尾美としのりさん)は、宝子が取材した利用者の中に、妻の絵美(片岡礼子さん)がいることに気づき、がく然とする。

女性用風俗や出張ホストというのは表層的なことで、実はその奥底に、丸山夫妻の長年のセックスレス、妻の子宮頸がん発覚による、自らの“性”との向き合いがあった、という巧みな脚本。襖を超えてきた夫に抱きしめられ、「匂い変った?」という妻のセリフがいい。

一方で、酔った勢いのその後の関係にモヤモヤしていた風未香も、晃人との関係に決着。長年夫婦と新カップルを対比させながら、言葉にすることの大切さと難しさを伝えていました。にしてもこのドラマ、芳根さん史上、最高に可愛いのでは?『コントが始まる』の時より可愛い。

画像1

ポンコツ独身32歳の桃地(松坂桃李さん)が、親しくなった漫画家の巴(麻生久美子さん)の急死後、巴を名乗るおっさっん・田中(井浦新さん)に出会う、衝撃の“入れ替わり”ラブコメディ『あのときキスしておけば』第2話。

巴と名乗るおじさんと、同棲生活をスタートさせてしまう桃地。そんな中、突然訪ねてきた高見沢(三浦翔平さん)から、巴の葬儀の日程を知らされることに。「私が本当に死んでるのか確かめたい」―そう頼み込まれた桃地は、巻き込まれるような形で、オジ巴と共にお通夜に参列することに。

魂が入れ替わった巴を演じる井浦さんが本格的に登場。簡単には受け入れられない、桃地ら周りの人間を混乱させる様子がコメディータッチで描かれながら、最後は桃地が入れ替わりを受け入れる、感動のラスト。

遺体が火葬された以上、巴が巴であることを証明するのは漫画だけで、「SEIKAの空」の続きが編集部に送られる展開も面白い。ちょっと先が読めない本作。脚本家の大石静さんのインタビューによれば、貴島彩理プロデューサー(『おっさんずラブ』)のアイデア先行のようです。

咲(北川景子さん)と紘一(永山瑛太さん)が、運命的な出会いから交際0日婚するも、早々と離婚のための準備活動を始める『リコカツ』の第4話。

咲の母・美土里(三石琴乃さん)が、自分の誕生日パーティーを咲たちの新居で開くことを勝手に決め、知り合いに招待状を送っていた。そのパーティーで、再び咲と紘一と元カレ・貴也(高橋光臣さん)が顔を合わせ、さらに紘一に思いを寄せる同僚の隊員・純(田辺桃子さん)もやって来て…。

前回、元鞘モードになった二人でしたが、元カレの存在に嫉妬する紘一とギクシャクする咲。しかし、美土里の離婚宣言に悲しむ咲を見て、紘一が離婚撤回という流れに。偶然ながら、『半径5メートル』と同じく、熟年夫婦の危機と妻のガン(疑い)が描かれました。

咲の父役が佐野史郎さん降板で、平田満さんに交代。平田さんもさすがに上手いですが、佐野さんのいかにも元広告代理店的な、いかがわしさと軽さを見たかったなあ。紘一の後輩(田辺桃子さん)が絶妙に嫌な女を演じていて、やりますねえ。『ゆるキャン△2』と見比べるのも楽しい。

独身で勝気な40半ばのトキコ(吉田羊さん)と、愛嬌はあるが破天荒な70代の父・蒲原哲也(國村隼さん)の愛憎物語『生きるとか死ぬとか父親とか』の第5話。

エッセイのネタづくりのため、トキコは父と動物園に行くことに。しかし、自由気ままに歩く父に振り回されるばかりで、良いエピソードなど出来そうになく…。ところが、帰りに寄った昔なじみの店で、トキコの知らない昔の父の仕事話や、幼い頃の2人のエピソードを知らされることに。

冒頭のラジオシーンでは、友人・知人の子供の写真がSNSにアップされると、心がざわつくという未婚女性からの“あるある”相談。そこに、満たされなった子供時代を見るトキコに、七海(田中みな実さん)が「子供時代をやり直しては?」と提案。父娘で動物園へ向かうという流れ。

とんかつ屋さんで知った、父から娘に受け継がれた口を拭う癖に、親子の絆を感じるトキコでしたが、“埋まらない欠損”の溝はまだまだ深そうです。『あまちゃん』の商工会長でお馴染みの菅原大吉さんが、とんかつ屋の主人役。『コントが始まる』では、菅田将暉さんの父親を演じていました。



この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?