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ドラマ日記『不適切にもほどがある!』(第4話)

中学の体育教師で、野球部顧問の小川市郎(阿部サダヲさん)が、1986年から2024年の現代へタイムスリップ。昭和のダメおやじの「不適切」発言が、令和の停滞した空気をかき回す意識低い系タイムスリップコメディ『不適切にもほどがある!(#ふてほど)』の第4話。

キスをしようとした瞬間、ビリビリッと弾け飛んだ市郎と渚(仲里依紗さん)。2人の間に何かの障壁があることに気づくのだった。後日、喫茶「SCANDAL」では、井上(三宅弘城さん)がようやく恩師である市郎と再会していた。

本作では様々なドラマの世界線が交錯していて、それがキャスティングの妙になったり、パロディ(オマージュ、リスペクト)に活用されたり。代表的なのが、2020年に同じ枠で放送された『恋する母たち(恋母)』。

宮藤官九郎さんではなく、大石静さんの作品ですが、同作には阿部サダヲさん・仲里依紗さん・吉田羊さん・磯村勇斗さんが出演していました。阿部さんと仲さんは不倫関係の役で、初回からキス。しかし、今回の『ふてほど』では二人は「ビリビリ」でキスできないという設定。

また、吉田さんと磯村さんも『恋母』では不倫関係に。今回『ふてほど』で、磯村さんがブリーフ姿で純子(河合優実さん)の前に立つシーンがありましたが、『恋母』でも同様に磯村さんが全裸で吉田さんの前に仁王立ちするシーンがあり、完全なるパロディ。

磯村さんと言えば、『きのう何食べた?』シリーズにおける、井上航(ジルベール)役で一躍俳優としての評価を高めましたが、今回の『ふてほど』にも井上くん(中田理智さん)とキヨシ(坂元愛登さん)のキス未遂のシーンで、BL作品『風と木の詩』と「ジルベールの孤独」というセリフが登場しました。クドカンの確信犯的磯村さんイジリ。

そして極めつけは「俺の愚か者がギンギラギンにならない」のパワーワード(笑)。「ギンギラギンにさりげなく」ではレコード大賞最優秀賞新人賞、「愚か者」ではレコード大賞大賞を受賞した近藤真彦さん。

インテリ夫婦の子供であるはずのキヨシが「おっぱい」を連呼するなど性に興味津々なのは、木村一八さんに外見を寄せていることからも、『毎度おさわがせします』(1985、1986年)を意識していることは確実。まだ14歳のヒロイン役の中山美穂さんに、ほぼ「ぽろり」のシャワーシーンや半ケツをさせるなど、昭和のドラマは「不適切にもほどがある」と。

インティマシー・コーディネーター(トリンドル玲奈さん)や既読スルーの問題など、今回も盛りだくさんでしたが、昭和歌謡の場面で「セーラー服を脱がさないで」で盛り上がった後、「さすが秋元、どうかしてるぜ!」の後、今もヒットメーカーだと聞いた市郎が「ホントに!?地獄に落ちるぜ!」いうセリフがありました。

朝ドラ『あまちゃん』でも散々、秋元康さんをいじってきたクドカンですが、今回は恐らくジャニー喜多川が亡くなった際、クドカン作品で多数主演した長瀬智也さんが「ジャニーさんは地獄行き」という発言を念頭に置いていたのかなと。

ジャニー喜多川の長年の少年たちへの直接的性加害と、間接的とはいえ、少女たちへの性的搾取と指摘されることもあるアイドルビジネスを重ねたという推測です。

ラスト。渚に父親(古田新太さん)を紹介された市郎。「初めまして、お父さん」と挨拶する市郎に、渚の父親も「お義父さんですよね⁉」と返し。第5話ゲストの錦戸亮さんの老いた姿説もあり。

錦戸さんと言えば、クドカン&大石静さんの共同脚本による配信ドラマ『離婚しようよ』での役が「色気ダダ洩れ」と話題に。その不倫相手役が仲さんでした。ただし最後まで「合体」はしていない、という設定が『ふてほど』にも活かされているなと。次回も楽しみ。

余談:晩酌しながらドラマ『居酒屋新幹線2』を見るのが楽しい。ご当地グルメや地酒も知らないものばかりで。それを様々な表情で、全力で演じる眞島秀和さんがいい。『孤独のグルメ』とはまた一味違います。


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