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寅子の復帰と花岡の死…今週の『虎に翼』

日本初の女性弁護士で、後に裁判官となった女性・猪爪寅子(伊藤沙莉さん)とその仲間たちが、困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子供や追い詰められた女性たちを救っていくリーガルエンターテイメント、朝ドラ『虎に翼』の第10週「女の知恵は鼻の先?」。

「女の知恵は鼻の先」とは「女は目先のことにとらわれ、遠い先のことを見通す思慮に欠けている」の意味(ことわざ辞典から引用)。

新憲法に突き動かされ、寅子が司法省を訪れた月曜日。人事課長となっていた旧知の桂場等一郎(松山ケンイチさん)に、自分を裁判官に採用するよう直訴するも、桂場は難色。しかし、胡散臭い「ライアン」こと久藤頼安(沢村一樹さん)のアシストで、民事局民法調査室で働けることに。

翌日、さっそく調査室に出勤すると、そこには大学時代の同級生で「発芽玄米」こと小橋浩之(名村辰さん)がいて。裁判官になっていた小橋ですが、「失礼垂れ流し野郎だった」ことを思い出す寅子。

民法改正案を熟読していた寅子が、久藤に感想を聞かれ、無難な返答をしてしまった火曜日。「思ったより謙虚なんだね」と言われてしまい、その真意を察し、落ち込み。胡散臭げに見えて、人物を見極めようとしている久藤と、試されている寅子。

弁護士としての挫折や身近な人たちの死、そして貧困。経験は人を賢くすると同時に、慎重さを植え付け。それは時に自重が過ぎたり、勇気を失わせたり。かつての口癖「はて?」すら発せられない「スン」な寅子。

そんな中、桂場の恩師で、民法改正審議会委員の神保(木場勝己さん)が司法省に現れ。GHQ主導の改正案に反対している神保から、「家制度や戸主がなくなってしまったら大変なことになる。君もそう思うだろう?」と、この議論の流れで受けたくはないパスを出された寅子。

神保に反論できぬまま流されるなど、寅子が「スン」状態から抜け出せずにいた水曜日。小橋からは「大人になったな」「前のおまえなら、すぐ“はて?”って噛みついて、理想論を振りかざしてただろ」と揶揄されるも、痛いところを突かれ。

その後、民法改正の委員をしている恩師である穂高重親(小林薫さん)とバッタリ会いますが、弁護士を辞めることになった時と同じ気まずいままで、法曹界の狭さを痛感。そんな時、東京地裁に異動になっていた花岡悟(岩田剛典さん)と6年ぶりに再会。

食糧管理法違反の事件を担当している花岡の弁当が、質素過ぎた木曜日。寅子の悩みに耳を傾けつつ、梅子(平岩紙さん)の思い出話も。婚約者の件で轟とよねに詰められた花岡は、「何も間違わず、正しい道を進む」って言ったんですよね…やつれた姿に悪い予感しかしない。

民法改正審議会で、神保と穂高が対立する中、休憩時に寅子に声をかけた穂高は、家庭教師の仕事を紹介。「君をこの道に引きずり込み、不幸にしてしまったのはこの私だ。そのことで、ずっと責任を感じていてね」と。「不幸…私が…はて?」と久しぶりの寅子の「はて?」。桂場も反応(笑)。

寅子が穂高に、法曹界へは「好きで戻ってきた」と言い放った金曜日。桂場がフォローしたように、穂高の言葉とお節介が、寅子を本来の寅子に引き戻し、後押し。

その後、審議会で神保に真っ向から意見をぶつけた寅子。前の民法における「家制度」という庇護を「大きなお世話」とバッサリ。その後、なんとか民法改正が成りますが、そこに飛び込んできた花岡が亡くなったという知らせ…。

余談:昨日の『あさイチ』プレミアムトークのゲストは、向井理さん。やはりトップスターは演技力を高めるために、定期的に舞台に立つというのが近年のマスト。『パリピ孔明』の映像も流れました。


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