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俳優ノート『唐沢寿明さん』

気になる俳優さんの出演作についての覚え書き「俳優ノート」。今回はドラマ『24JAPAN』に主演する唐沢寿明さん。

今では大物俳優となった唐沢さんですが、意外に下積みは長く、1980年デビューで、ブレイクは1992年の『愛という名のもとに』。というわけで、その前年の映画『おいしい結婚』(1991年)から。

当時、女性の結婚相手の条件に「3高」が挙げられていた時代を背景に、本当に幸せな結婚とは何かを描いた、名匠・森田芳光監督によるホームドラマ。

娘(斉藤由貴さん)の幸せを思って、いい条件の相手と見合いをさせようとする未亡人役に三田佳子さん。そんな母の提案を断ろうとして、恋人のフリをしてもらい、いつしか恋に落ちる相手こそが唐沢さんでした。

ちなみに、映画公開は1991年5月。当時、アイドル的な人気を誇った斎藤さんが、故・尾崎豊さんとの不倫スキャンダルを報じられたのが、同年4月でした。なかなかのタイミングで記憶に残る映画でもあります。良作。

次に、ブレイク作として『愛という名のもとに』(1992年)を軽く。大学時代に同じボート部だった男女7人が、社会に出て、理想と現実に葛藤していく、愛と友情の物語。当時の世相を盛り込みつつ、どこかポエムな世界観。

唐沢さんは政治家を父に持つ正義感の強い秘書役。結婚を約束した恋人(鈴木保奈美さん)がいたのですが、父の意向に逆らえず、政略結婚のために捨てることに。しかし、最終的には父の汚職を知り告発します。名作。

さらに、現時点での唐沢さんの代表作『白い巨塔』(2003年)。田宮版(1978年)と比較されることも多いですが、両方傑作ってことでいいのでは?

『愛という名のもとに』の江口洋介さんとの再共演も見処ですが、他の共演者も皆いいんんですよね。石坂浩二さんや品川徹さんら教授陣は味わい深いですし、黒木瞳さん・矢田亜希子さん・高畑淳子さんら女性陣もはまり役。

最後はちょっと戻って映画『みんなのいえ』(2003年)。『ラヂオの時間』(1997年)に続く、三谷幸喜作品で、他にも『THE 有頂天ホテル』(2006)、『ザ・マジックアワー』(2008)、『ステキな金縛り』(2011)にも出演している三谷ファミリー。最近出てないかな。

放送作家夫婦(田中直樹さん&八木亜希子さん)に家の設計を頼まれた建築士(唐沢さん)が、施工を担当する大工(田中邦衛さん)とことごとく対立するというドタバタコメディ。誰もが楽しめる名作です。




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