Beyond sorrow,hope.
2022年1月16日、墨田区総合体育館で行われたVリーグの試合、FC東京バレーボールチームのホームゲームに行ってきました。
東京遠征するのは物凄く久々な気がする…と思っていたので、調べたところ東京のバレーボールの試合を観に行ったのは、2019年6月に行われたネーションズリーグ。
Vリーグの試合は、2019年2月の大田区総合体育館でのFC東京ホームゲーム。墨田区総合体育館は2019年1月で、ちょうど3年ぶりでした。
しかも墨田区総合体育館でのホームゲームの試合、2019年もVC長野トライデンツとの試合で、2022年もVC長野トライデンツの試合でした。
それで思い出したんですが、2019年の時にTwitterで「○○に行って帰ってくるまで」が流行っていて、墨田ホームゲームに行った際に自分も便乗してTwitterでツイートしていました。自分で発信したものなのに、改めて見ると色々考えさせられる箇所があるなと思いました。
2018/19シーズンはVリーグが新しいリーグに変わって、各チーム色んな試みを行っていたのが印象に残っているのですが、果たしてあれから何か変わっていったのか…などと。
その話はいったんさておき、久々に墨田のFC東京ホームゲームに行っての感想を少し。
今シーズンが始まった当初は、コロナも少しずつ落ち着いてきた状況でしたが、2022年が始まってから急変。
特に東京は一気に感染者が増え始めたので、ホームゲームの運営だったり、集客するのも凄く大変だったのではないかと思います。観客収容率は100%に変わったものの、客席は空席が目立ちました。
私は2020年から東京ホームゲームにはなかなか行くことが出来ず、動画配信を観ていたのですが、ホームゲーム恒例のチャントが聞こえてこないのは、凄く寂しい感じがしていました。
そんな時に発表されたFC東京バレーボールチームの活動休止。色んな感情が行き交う中での天皇杯の試合。
天皇杯の試合も動画で観ていましたが、久々にチャントが聞こえてきたではありませんか。観客は声を出してはいけないはず…と思っていたら、リザーブにいる選手たちが声を出していると。
2020年から応援に規制が入り、選手コールやチャントが歌えなくなったため、今シーズン加入したヨナス選手やマーク選手はもちろんのこと、武藤選手や山田大悟選手らも、どう呼ばれるのか分からないままだったんですよね。怪我で離脱した古賀太一郎選手も。呼べないままFC東京バレーボールチームは終わってしまうのか…と思っていた時の、天皇杯の選手たちの声。
武藤コールは過去FC東京を大いに盛り上げた、あの時の衛藤コールだし、マークコールは今コーチをしている橘コーチの「ユーヤ!ユーヤ!タチバナ!」に合わせたものだったり。
過去の思い出がグワーッと蘇って来て、配信動画を見ながら目に涙が浮かびました。
そんなことがあっての、2022年初めてのFC東京ホームゲーム。
試合前に流れてきたのは、FC東京おなじみのユルネバ、You'll Never Walk Alone。そして試合が開始、タイムアウトに入ったときにも選手たちが歌った(録音)チャントが流れてくる。
久々に来た東京ホームゲーム。いや、帰ってきた東京ホームゲームと言うべきでしょうか。私にとっては。
今年に入ってからの試みなのと、音響の関係でちょっとズレてしまったりと、まだまだ手探り感はあったと思いますが、FC東京が今出来ることを考えて実行しているというのが感じられて、凄く良かったなと思いました。
さて、試合内容に関してですが、FC東京は色んな選手が出場していました。土曜日は佐藤選手の活躍が凄まじかったり、日曜日は黒田選手がとにかく素晴らしかった。久々に近江選手や平田選手もコートインしました。今シーズンのFC東京は色んな選手が出ていますが、それで色んなチームに勝てているのは良いことだなと改めて思います。
対するVC長野トライデンツですが、内定選手の山岸選手や藤中選手、三輪選手の存在がとても鮮烈でした。VC長野は突然の主力選手の退団のお知らせがあり、こちらも大変な状況なんだろうか…と思うことはありましたが、それでも今いる選手たちで一生懸命戦っていて、良いプレーもたくさんありました。
何セット目か、VC長野の池田幸太選手が壁にぶつかってボールを取りに行くシーンがありました。その後、会場からは拍手が。
バレーボールって、スーパーレシーブをしたり、ラリーが続いて凄いスパイクが決まったりすると観客の拍手に包まれるのですが、改めてこれが「バレーボールの良いところだよなあ」と思いました。
応援しているチーム、選手はいるけど、良いプレーがあれば敵味方関係なく拍手をしてリスペクトをする。
たくさん競技があるけど、こういった場面を凄く感じることが出来るのはバレーボールならではかもな、と思います。そして私は、そういった意味でもバレーボールが好きなんだなと思いました。
そして墨田ホームゲームで一番印象に残っているのは、勝利者インタビューでの手原選手のコメントです。(音響の関係上、動画では聞き取りづらかったのですが…)是非色んな人に聞いてほしいコメントでした。
「FC東京は終わりのために頑張っているのではなくて、明るい未来があると思って一生懸命頑張っています」
ホームゲーム挨拶で栗山キャプテンも言っていましたが、活動休止の発表があったものの、今は下を向かずにチーム一丸となって前に進んでいると。
大変な状況であっても起こることにはきっと何か意味があるものだと思います。FC東京だけではなく、Vリーグ全体、バレーボール全体にとって、今起きていることは凄く大切なことなのではないかと。
先日、FC東京の中でもコロナ陽性者が出たと発表がありましたが、今のところ今週の墨田ホームゲームは開催される予定とのこと。
今、本当に1試合でもFC東京の試合を観られる機会が減るのは、非常につらいこと。無事に開催されて欲しいと願うばかりです。
今度墨田に行かれる方。サンバーズファンの方にも。皆さんで盛り上がって、熱い試合になりますように。
余談。
タイトルの「Beyond sorrow,hope.」
竹沢うるまさんの写真集『KorLa』に、雨で塗れた窓ガラスの向こう側に、暗闇に浮かぶ灯りの写真があります。そこに添えられているメッセージが「Beyond sorrow,hope.」
直訳すると「悲しみの向こうは、希望。」
ユルネバの歌詞も和訳すると「暗闇を恐れるな 嵐の向こうには青空が広がっている」というフレーズがあったので。
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