人類だけが言葉を手にした理由

はじめに

 偶然見かけたニュースが面白かったので、メモ感覚でまとめたものとなります。当方に専門的知識はございませんのであしからず。

猿にはあって、人には無いものとは。

 2022年8月11日。京都大学などが所属する研究チームがとある研究成果を米科学誌サイエンスに発表した。
 その内容とは、ヒトが進化の過程で『声帯膜』を失ったことで言語を習得した。というものだった。
 猿のコミュニケーションは、声の大きさや高さ、長さなどを用いて行っているらしい。どれほどの音量で、どの程度の音域が何秒続けばどういう意味になるのか、と言った形だ。確かにこれではコミュニケーションを複雑に行うことは出来ない。一方で我々人類の言語は、音域だけでなく、複数種類の母音に子音を混ぜることで発音を生み出し、音域の変化によってイントネーションまでコントロールしている。
 今までは、人類がいかにしてこの言語能力を獲得するに至ったのか謎だったとの事だ。


声帯膜が鍵?

 今回の研究成果は、京大ヒト行動進化研究センターの西村剛准教授らが、愛知県犬山市にある『日本モンキーセンター』に保管されていた43種類の人に近い霊長類の整体に着目したことがきっかけだった。
 サルの喉頭をCTで調べたところ、ヒトだけが声帯の上に『声帯膜』と呼ばれる器官がないことを発見したらしい。
 ヒトの進化に欠かせないとされている言語。他の生き物にもコミュニケーションを取るために音を操る種は多いが、これほどまでに複雑なパターンを会得したのはおそらく人類だけだろう。故に、社会性が発達し知恵をつけることが出来た。そのきっかけが、まさかの『声帯膜』と呼ばれる器官を失うことだったのだ。
 そもそも、この声帯膜はなんのためにあるのか。調べてみたところ、サルは声帯と声帯膜を振動させることにより少しのエネルギーで大きな声が出せるようになっているらしい。確かに猿の声はうるさいイメージがある。あんなに小さい体でキーキーホーホー騒ぎ立てるのだ。
 一方で人類はあまり声が大きくない。大きな声を出すために腹式呼吸をマスターする必要があり、かなりエネルギーを使ってしまう。しかし、小さな声でも何を言っているか聞き取ることが出来る。だからこそ囁き声フェチが居るのかもしれない。

霊長類の中でもヒトが独自の声帯を持っていることが分かり、人類の進化を探る上で重要な手がかりになる。今後は音をどのようにコントロールしているのかを研究したい
──西村准教授

https://news.yahoo.co.jp/articles/087d31122a5ae7d9ba10677e7268e9d4620b175e


 耳元で囁くという求愛行動についても知りたいものだ。ASMR動画のネタに出来そう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?