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【なんで赤穂?】いわつひめにたどり着く。

おてんとさん

最初に「あー、ここいい~」と感じた時のことを思い出しながらお便りします(^^)

国道250号線。神戸から岡山まで海に近いところを走る国道。

竜野・御津町に入るあたりから赤穂を抜けるまでのこの道を「はりまシーサイドロード」と呼ぶそうです。神戸から御津町に入るまでは都市が続き、工場が続きの道ですが、御津町に入ると一転、木間がくれに瀬戸内の海が表れたり消えたり。カーブを曲がると海がフワーッと視界に広がったり。

はりまシーサイドロード

おてんとさんはいっつも空から見守ってるからわからんかもなー、この感じ。虫の目で道を進む喜びは、想像を超えた景色が急に表れる可能性。その可能性を予感させる様々なシグナル。僕にとってはそんなところにあるんですよ(^^)

もしかすると、すでにこの道を走り始めた時から「予感」を感じていたような気がします。よくよく考えると、僕にはこんなアプローチの「間」自体が大切なんですよね。

「そこだけ」とか「目的地だけ」じゃなくて、そこに至るアプローチの「間」。「なんかあるかも?」と感じさせてくれる途中の時間。そういえば最近、うちの近所の素敵な古い家が取り壊されて、とても寂しい思いをしました。道に面した入口から家の玄関まで、1本の木を囲んで短いながらも雰囲気のある小さなロータリーがある古い家。どんな人が住んでるんだろ?って想像を楽しむことを許してくれるようなそんな家が、あっさり壊されて宅地造成される残念な気持ち(^^)

きっとそこに敷地いっぱいギリギリまで外壁の家がたくさん建つんだろうと思うとなんとなく寂しい気持ちがしました。家に求めるものは人それぞれでまったくいいんだけれど、敷地ギリギリの家は、外から内を急に遮断して「こっからウチのもん!入らんといて!」とバシっと言い切っているようで、ちょっと怖い(^^)外と内をグラデーションのように繋ぐ「間」としてのアプローチがあるだけで、少し外と繋がる心のゆとりが持てるような気がするんですよね。そんな家が減ることは、僕たちの社会が「たくさんの孤立の集合体」になっていくようで寂しいのかもしれません。

話が逸れましたね。要は、赤穂・御崎に至るはりまシーサイドロード、そして県道568号線・県道458号線と繋がる海沿いのアプローチがとっても気持ちいい道だってこと!バイクや自転車でのツーリングに最高の道で、「何かその先に」を予感させてくれる道がすでに僕の心を捉えてたんだということです。

そして、県道568号線から458号線に入っていくと目の前に現れるのが坂越湾と坂越の港町。都市景観大賞にも選ばれた古い街並みが小さな湾にへばりついていい雰囲気を醸し出しているんです。

坂越①

坂越②

おてんとさん、坂越についてはまたゆっくり話しますが、まぁいい感じでしょ?漁村ではなく商いの街だった歴史がこの空気を作ってるんだと思います。

瀬戸内の穏やかな海をちらちら視界に入れながら走っていたら、急にこんな街並みが現れる。そりゃあ僕のテンションも「あらー、なんかええなー」って上がってしまいますよ(^^)

そして、そんな気持ちのまま岬の先端にたどり着きます。

岬の先端にあるのが「伊和都比売神社」。

「いわつひめ」と読みます。1000年以上前からこの地で大切にされてきた、海の安全を守る神様。

なので拝殿も鳥居も海に向かっています。その先には海に向かって石段が。つまり、参道が海なんです。

伊和都比売神社①

鳥居には東郷平八郎が揮毫した額が掛かっています。(写真は裏っかわですが)そのころには沖合に艦隊が集まり、そこからカッターを出して神社に向かい海軍将士が参拝したのでは。僕は武力でものごとを解決することには決して賛成できませんが、しかし、歴史のある時点を生きた人々がその時々の想いをこの場所に差し出す姿を想像すると心にグッとくるものを感じます。

鳥居から海に下りるところに、小さなスペースがあります。そこから海を眺めると色んな感覚が通り過ぎていきます。ここで、ヨガとか瞑想とかするとただただ気持ちが落ち着きそう。(僕の奥さん、のりは独自のヨガをインストラクターとして探究中だし)そんな風に僕の中のイメージが動き始めるきっかけとなったのが、ここ、いわつひめ様です(^^)

この伊和都比売神社から海沿いに遊歩道が伸びています。うちのすぐ下の砂浜を通りさらにその先の海岸まで。(ちなみにうちの家からいわつひめ様まで徒歩5分!)海と森を感じながら遊歩道を歩くとさらに充実した歩く瞑想の時間に。神社を中心としたこの辺り全体が、「素」の自分がふと顔を出しやすい気を孕んでいるような、そんな気がしたのでした。

ちなみに、神社の片隅に海を一望できるベンチがあります。「恋人たちの聖地」なんて名前がついています。もしおてんとさんにも愛する人がいれば、ぜひ一緒に下りてきてみてください(^^)


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