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0708 晴れ間が見えた

久しぶりに青空が覗いて、陽の光が射す。それだけでうれしくなった。
いきものとしての単純なよろこび。太陽と身体の根源的なつながり。

苗が植わったばかりの田んぼに映る空が好きだ。
青空も夕焼け空も月の光も、田んぼの水に映されて、ふたつずつ。
天にも地にも空がある。
空が地上に降りてきて、わたしととても近くなる。
いまにもさわれそうな、いまにも空の中に行けそうな、
どきどきするような感覚が、毎年この季節に訪れる。
田んぼの水鏡を通して、空を見る。
苗が育つ前の短い間の、わたしと空の逢瀬。

きっと天にも一面水が張られていて、
天からもその水面を通して地上が見えるかもしれないと空想する。
ゆらめく水面の向こうには、水を張られた田んぼがあって、
その田んぼには天が映っていて、
天に住む人々はそれを面白がって眺めるのだ。
そしてわたしが田んぼにダイブしたならば、
天と地とが反転して、わたしは空の世界に行けたりして。

そんな空想をいつもしてしまう、水と空の季節。

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