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みじかいお話 ちいさなお話

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読み切りの短編小説たち
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#掌編小説

おっぴさん

 わたしはばあちゃんがさんにんいます。いっしょにすんでるばあちゃんと、かあさんのじっかのいえのちっちゃいばあちゃんとおっぴばあちゃんです。

 じっかのいえのひとたちは、みんなおなじかおです。くろくて、しかくいです。おっぴさんのかおはまるいです。いろはしろいです。おっぴさんだけちがうかおです。

 あと、おっぴさんはせなかをまげてたちます。てをこしにおいてあるきます。あたまにてぬぐいをまいています

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おはようのうた

 祖母に手をひかれて、通りを渡る。センターラインも横断歩道も描かれていない車通り。斜め向こうの床屋さんの駐車場から、年長組の男の子たちの声が響いている。おかあさんたちの話し声、笑い声。「おはようござんす」と祖母があいさつすると、「おはようございます」と大人たちが答え、わたしはちょこんと頭を下げる。つないだ右手にぎゅっと力を込める。びゅん、と目の前を走っていく男の子。もうひとり、びゅん。「こら、あぶ

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月へ行く

これは誰にも話したことがないのだけれど、月へ行くには裏道がある。

銀色にひかるロケットに着膨れた宇宙服で乗り込まなくても、田植え直後の清しい水面に映る月に飛び込まなくても、暗い夜の坂道を月を目指して上らなくても、黒猫の瞳の中の虹色の星を覗き込まなくても。

あるいは、手を伸ばして月を掴もうとしなくても、長い長い梯子をかけなくても、月を撃ち落とさなくても、傘でつつかなくても、ぽろっと夜空から剥がれ

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