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病気の一枚 48

2023年5月の私です。

本編に入る前に・・・ここ最近、私のnoteへ来てくださっている皆さま&いつも読んでくださっている皆さまへ。いつもの皆さまにはいつもの記事ですが、最近来てくださっている皆さまには、ちょっとびっくりかも、と思うので、この前置きを書くようにしました。

私、この病気の事を、今は月1回で書いています。最初の頃は、まあ、自分の人生で、こんな経験することって、2度とないしな、と思って書いていました。でも時がたつにつれて、記事を読んでくださっている皆さまにコメントをいただくようになり、この病気に対して、病気を経験した人にも、現在進行形で治療をしている人にも、経験していない人にも、何か伝えられる、伝わる事があれば、と、少しずつ思うようになってきました。

特に大きな事は何も考えてなく、どなたかが言われた「ろうそくの灯」のように小さな小さな明かりを灯し続けていければ、と思っております。
私の定時連絡のようなモノだと思っていただければ、いいかなと思っております。


2019年夏、右胸のしこりに激痛がはしり、検査の結果、乳がん、悪性腫瘍と診断されて、11月に右胸全摘とガンが転移していた右脇下のリンパ節切除手術を受けた。そして12月から抗がん剤治療が始まり、翌年2020年5月にやっと抗がん剤治療が終わり、7月にポート抜去手術後、ホルモン療法(タモキシフェン)が始まった。

2020年9月から仕事復帰。ただし、右腕はリンパ節切除の影響で軽いリンパ浮腫を起こしていたが、少し症状は軽くなってきた。それでも、腕を休ませながらの勤務。今は本格的に仕事復帰している。

2023年1月に再発。右肺の胸膜に遠隔転移判明。診断は『右肺の胸膜播種』。現時点でガンに対する自覚症状はない。仕事を続けながら、べージニオ&フェソロデックスを用いて再発治療中。

最初のがん告知から、3年7ヶ月。
手術して、3年6ヶ月。
最初の抗がん剤治療が終わって、3年。
再告知&再発治療が始まって、4ヶ月。

もう・・・長いです・・・(笑)

気温差にやられた。

気をつけてはいた。でもそれは気をつけてるつもりだった、にしか過ぎなかった・・・。
というセリフを先月も書いたような気がする。

5月に入って、連休が明けて、朝は10〜15度とひんやりするくせに、昼間になると30度を越える日が数日あった。
いま体温調節もうまくいかない私ですら、昼間の30度はさすがに無理だと気づいたので、事務室にクーラーを入れようと周りに提案。

だがしかし、クーラーを掃除してないからとか、もうちょっと暑くなったらねとか、だいたいこんな季節からクーラー入れよったら、真夏はどぎゃんすっとな?と訳の分からない我慢大会に持ち込まれそうになり、
「えぇぇぇ~・・・でも、いま入れんかったら、絶対干物になるばいっ」
干物を食べるのは美味しいけど、干物になるのは絶対避けたい一心で、クーラーを黙々と掃除をして、「試運転!」と宣言してクーラーのスイッチを押したのであった。

が、次の日。朝から鼻水が止まらない。マスクしているのをいいことに、ティッシュで鼻栓を作って鼻にこっそり詰めていた。しかし、昼頃から半日ほど、変な咳が出始めたのである。呼吸も少ししんどい。これは、がんの影響?薬の影響?何の影響?・・・って、これも先月言ったなぁ。

いざ、内科へ。

鼻水が止まらなくなった翌日、半日休みを取って、近所のかかりつけ病院へ行った。
「きつそうやね・・・うーん・・・喘息になりかけとるね」
やっぱりの診断に、とにかくどうにかしてほしいと先生に言う。だって数週間後には、例の筋肉注射が・・・この治療は止めたくない。
抗生物質やら、吸入やら、痰を切る薬やら5種類ぐらいの薬をもらって帰宅。

これで数日もすれば、症状が治まるだろうと思っていたが、今回はなかなか治まらない。鼻水は止まらない、咳は痰がめちゃくちゃ絡んでいる、なんだか食欲も減ってきている・・・よくない三拍子が揃ったな・・・ったく。

数日後、なかなか止まらない鼻水に、とうとう痺れを切らして、耳鼻科へ駆け込んだ。
「先生、鼻水が止まらんっちゃけど」
「うん、溜まっとるね」
花粉症の時のように、鼻水を吸い出してもらう。おっ、ちょっとすっきりしてきた。その日からちょくちょく耳鼻科で吸引、内科で吸入という日々が続いている。

ちょっと下痢の話。

がんの治療の一環で飲んでいるホルモン薬「ベージニオ」のメインの副作用は下痢。この薬を服用する患者のために、製薬会社がバックアップ体制をとっている。身体の状態を記録するためのアプリがあったり、お客様相談センターが365日運用されていたり。
でも、この薬を処方した病院はもちろん、薬局の薬剤師さんも、何かあったら遠慮なくすぐ連絡くださいねと言われている。
しかし、これだけ言われると、逆に何を相談しようか?と思う自分が出てくる。でも、確かに下痢はひどいが、たいてい下痢止めを飲んだり、温かいものを飲んだりすると治まるので、今度主治医の先生に会った時でいいかなといつも自己完結してしまう。

だが、連休が明けた頃から、食欲が途端に落ちた。幕の内弁当のおかず部分で言うなら、おかず全部を完食することができない。もう3分の1ぐらい食べたら、お腹いっぱいになるのだ。

そのくせ、出る時は全部出てくる。それもほぼ原形をとどめて。
一番ショックを受けたのは、うどんがそのまま出てきたことである。そう、割と消化されやすいで有名なあのうどんである。
ひじきやコーンは健康な時でも出てくることはよくあったが、海藻やキノコ類がそのまま出てきた時は「え!?」と一瞬面食らい、米粒がそのまま出てきた時は「いや、マジか!?」と出てきたものにツッコむ始末。

こんな事が1日5,6回ある。食べて数時間後には出てくる。この現象に、抗がん剤治療を受けた時も、嫌気がさして、もう出てくるんだったら食べなくてもいいんじゃね?と何度も思った。
今回もそう思い始めていて、いや、それはいかんやろと思って食べようとするのだが、以前みたいに、なかなか思うように食べることができず、食べることができる時とそうでない時の食事の量の差が激しくなってきた。

今月も筋肉注射。

ということで、以上の経緯を、治療日に主治医の先生に説明した。
「うーん・・・喘息持っとったんやね・・・」
「いや、持ってたというか、なんというか・・・」
それよりか、聞いてほしい話があるんよ、先生。

先月から下痢がひどくて、仕事に行くぞという時になると、下痢で30分ほどトイレに引きこもり、結局、数分遅刻してしまう。連休明けに喘息が発症してから、さらに吸入やら吸引やらで早退する日が続いていたので、実は会社側からこう言われたのである。
「いったん休んだ方がいいんじゃないですか?喘息も下痢も辛そうだし・・・。」
体調が悪い時はすぐ休んでくださいよ、というのが、前回の治療明けの仕事復帰時の約束の一つでもあった。でも、いつも仕事の区切りがキリが悪く、病院診察日以外は、遅刻早退で過ごしてきた。

一度フレックスとかリモートを相談してみたこともあったが、職場は工場系なので、事務とはいえ、現場主義なのだろう。この時はその願いが届くことはなかった。

でも、今回の喘息発症で、事態が少し変わった。喘息が治まるまで、いったん数週間ほど休職することになったのだ。その間は傷病手当金の申請を行う予定だ。

「でね、先生。上司がこう言うんですよ。きっちり治してこいよ。って」
「え?きっちりは治らんよ」
「ですよね」
私も上司にそう言われた時に、上司を2度見しましたもの。
「でもまあ、いい機会だから、少し休むのもいいかもね」

先生にいろいろ話をして、やっと1ヶ月分の心のつっかえが取れたところで、先生から今回の血液検査の結果説明があった。
腫瘍マーカー値は前回よりも下がっていて、正常値のまま。
肝臓などの数値も悪くないので、食事も食べれる時はしっかり食べようという話になった。
ただ、薬は効果が出ているので、下痢がきついなら、ということで、ベージニオが150mgから100mgへと減薬になった。これもいろんな不安要素があったが、今の効果ならば、減薬してもそこまで問題はないだろうという先生の決断だった。

「えっと・・・喘息ですけど、今日もやるんですよね・・・??」
「喘息というより、上気道炎って感じだけど、肺炎を起こしてるとかではなさそうだし、はい、今日も注射しましょうね」
あ・・・だから、そのにこやかな見送りは・・・あああぁぁぅ。

今月の筋肉注射と相談。

今月もいろいろあったが、注射の日がやってきた。
フェソロデックスというホルモン薬で、左右のお尻の横の「中臀筋ちゅうでんきん」に一本ずつ打つのだ。

処置室に入ったら、手慣れていそうな看護師さんが現れた。でもこちらも、もう何度目かの注射である。さすがに、
「・・・いたっ!」
やっぱり痛かった・・・。でも今回は2分以上かけて、ゆっくり薬剤を入れてくれたので、あとがあまり痛くなくてよかった。

この後、久しぶりにがん相談支援センターで、いろんな相談をした。が、久しぶりに会ってからの第一声が「痩せました!?」である。うーん・・・そっか・・・再発治療が始まって5キロ痩せたもんなぁ・・・。

撮った。

相談センターで、上の「ちょっと下痢の話」に戻るのである。下痢の話、薬の話、仕事の話などなど。いろんなモヤモヤを聞いてもらい、たくさんのアドバイスをいただいた。

ヘッダーの一枚は、まだ喘息やら何やらといった騒動があるなんて、かけらも思っていなかった時に、熊本で食べた熊本名物太平燕タイピーエンである。今はこれを一杯完食できるかと言われると自信はないが、少し休んで、またいろんな美味しいモノをたくさん食べれるように身体を整えるのもありかもしれないなと思った5月でした。

やっぱり美味しいモノ食べて栄養摂りたいね。



追伸:病気の一枚は連載モノです。よかったら46もご覧ください。


いちおう今までの分は私の病気マガジンにまとめています。
1から読むと、かなり長くなりますが、興味がある方はどうぞ(^^;)
えっと、13までは病気治療に専念しており、14あたりから徐々に社会復帰して、毎月の定時連絡になり、44から再発治療が始まります。


記事を書くための栄養源にします(^^;)