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【ピリカ文庫】ラジオ【ショートショート】

デュ~デュ~タタ〜ッ♪チャッパャラチャラ〜♬

おーはよーございまぁーす!12月21日朝5時になりました!夜勤の皆さま!お仕事お疲れさまでした。そーしーて、朝活中の皆さま!今日はどんな朝を迎えておりますでしょーか?こちらの今朝の気温は、氷点下2度。今日も朝の味噌汁がうまいこと間違いなし!ですね!ちなみに、僕が好きな味噌汁の具は、夏はトマト!冬は大根です!
それでは、DJ横沢陽平がお送りする『レインボーモーニング』始まりまーす!!!

僕はそれまで、普通のサラリーマンだった。ラジオといえば、通勤の車の中で聴くとか、営業へ向かう車の中で聴くとか、まあ、たまにラジオアプリで、普段聞かない時間帯の番組を聴くとか、それぐらいだった。

ところがそんなある日。

高校の時からの親友である啓介が、僕の家に遊びにやってきて、スマホを取り出してこんなことを言い出したのだ。

「陽平、陽平!今日こそ俺の番組にちょっと出てみない?」
「…は?」
「俺、ずっと前から言ってるじゃん!陽平の声は絶対ラジオに向いてると思うんだよなぁ!」
「…な、なに言ってるんだよ。意味わかんねえし」
「まあまあ、そう言わずに、陽平ちゃ〜ん、ちょっとしゃべるだけでいいからさ〜」

それまでSNS読み専だった啓介は、昨年からブログを書き始めた。そして、そのブログの中で音声配信というラジオみたいなことまで始めていた。素人が趣味でやっていることなのだが、全国いや世界中に、かなりたくさんのリスナーがいるらしい、ということまでは知っていた。

陽平の声は絶対ラジオに向いている!

啓介は高校の時からずっと僕にそう言い続けてきた。確かに、国語の教科書を読む時も、音楽で歌を歌う時も、とても耳障りがいい声だとか、話がすんなり耳に入ってくるとか、同級生にも先生にもよく言われていた。

でも、それとこれとは話が別だ。聴くと喋るとでは、随分と勝手が違ってくる。でも、啓介は僕の何かを見抜いて、しつこく自分の番組に出てほしいと言い続けていた。

「…じゃあ、ちょっとだけだよ」
「うおぉ~っ!ついにっ!やった〜!持つべき者は、やっぱ陽平だぜ!」

こ、こんにちは…。

僕が啓介のラジオ番組『大人のわくわくモットーの放課後ラジオ』で発した第一声は、ガチガチに緊張して、大きな不安を背負った声だった。

しかし、話し始めて数分も経つと、収録を楽しんでいる自分に気がついた。
言葉がだんだんすらすらと口から出てくるようになる。ボリュームも大きくなってくる。やがて、自分が話した言葉に笑うようになり・・・。

喋ってる内容は自分たちの身の回りに起きた事で、たいしたことない、たわいもない話だったが、啓介がそこから話をどんどん広げて、僕もその話にのっていく感じだった。そして、あっという間に時間は過ぎていった。

その日の夜、僕がガチガチに緊張した音声配信が世に出た。

「陽平、陽平!コメント見た!?コメントの数ハンパねえよ!やっぱ、お前、すげーよ!!!」
翌日、啓介が興奮しながら、僕にラインを送ってきた。そんなまさか?と、僕は半信半疑で啓介のブログのコメント欄をのぞいてみた。

「陽平さんの声が素敵です!ラジオだけど、一目惚れしました!」
「たくさん笑って元気が出ました!もっと陽平さんの話を聴きたいです!」
「啓介さん!次も陽平さんとラジオ配信してください!」

ずらりと並んだ、このコメントを見て、僕の中で何かのスイッチが入った。
自分の声を聴いてくれる人がいる。自分の声を聴いて、元気が出たと言ってくれる人がいる。いや、僕の方がリスナーさんから大きなパワーをもらったのかもしれない。

僕はその翌日から、毎朝、録音ボタンとカメラのシャッターボタンを押す生活を始めた。朝5時という時間にも関わらず、啓介の番組のリスナーさんはもちろん、配信で初めて出会った人も聴いてくれている。
ラジオを聴くだけの僕が「ラジオ」を始めて、やがて一年が経とうとしていた。

撮った!

『レインボーモーニング』今朝も、そろそろ6時になろうとしております!
放送終了後のお楽しみで、毎日、僕が撮った写真をブログにアップしています!今日は昨日の放送後に撮った朝焼けです!久しぶりに澄んだ空気の中に昇ってくる朝陽を見ましたよー。

『レインボーモーニング』それでは、また明日!今日もファイトー!!!





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はいっ!こんばんはっ!
わたくし、このたび、こちらの方より、執筆依頼をいただきました(^^;)

そうです。「すまいるスパイス」でおなじみのピリカさんです!

私、note上では、ショートショートは企画に参加する以外は書いてなかったので、突然の依頼に、ドキドキを通り越して、ド緊張しながら、書かせていただきました。

ピリカ文庫は、名作ぞろいなので、その中にそっと混ぜていただいたという感じです(^^;) お名前を拝見しただけでも、もう、私がこの中に入っていいのだろうか???と、恐縮しまくりです・・・。
うおおぉ~・・・。

そして、ピリカ文庫は2人のnoterさんが同じテーマで書かれるのですが、今回、同じ「ラジオ」というテーマでショートショートを書いていらっしゃるのは・・・なんと・・・なんと!

はい!毎度おなじみ拝啓あんこぼーろさんですよ!
『ドラッグストア昔話』や『夢見る猫は、しっぽで笑う』などの名作を次々と生み出していらっしゃる、でも、『あんこはるかの寄せ書きRADIO』では、てきとーな(笑)、あのぼーろ先生なのですよ!

ぼーろ先生の作品はこちら!

ピリカさん!
今回はこのような貴重な機会をいただきまして、ありがとうございますm(_ _)m 緊張しながらも楽しく書かせていただきました(^^)
どうか、よろしくお願いします(^^)

あ。
これを書いてる横で「ショートコント!ラジオ!」とか言って、人のショートショートをショートコントにしたがっていた人がいたのは、ここだけの話(^^)
それにしても・・・、ドキドキが止まらない・・・ぃ・・・(^^;)


記事を書くための栄養源にします(^^;)