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わたしのおそろしい顔色

3月17日 金曜日の日記  仕事終わりに会社の先輩ふたりとチェンソーマンのコラボカフェに行った。  時間を指定して予約するタイプの形式だったのだが、早めに着いたためカフェのある建物をぶらぶらして時間をつぶすことになった。  コラボカフェがある階とひとつ下の階はたくさんの飲食店が軒を連ねており、おなかがぺこぺこの状態で見る食品サンプルたちは、かぶりつきたくなるほど魅力的だ。中華料理屋さんの前を通れば中華の口になり、海鮮居酒屋の前を通れば酒と刺身の口になる。あれもおいしそう、

    • 犬の排尿

      3月16日 木曜日の日記  退勤して駅に向かうべく自転車を漕いでいたら、散歩中の犬がおしっこをしていた。  私が勤めている会社は駅から少し離れた場所にあるため、電車に乗って最寄り駅に着いたら、今度は自転車に乗って会社に向かう。この駅から会社までの道のりに公園がふたつあるせいか(べつに関係ないかもしれない)、散歩中の犬に出くわすことが多い。そのため、犬の排泄シーンにもよく出くわす。  排便を目撃したときは、運がついたので良いことあるかも!と思うよう自分に課し、不快感を紛ら

      • 課題提出期限まであと、

        次に目が覚めたら、課題がぜんぶ終わってる世界線に飛んでたりしないかな。そんなことを考えながら、2時間も前から向き合っているのにも関わらず一文字も書き進められることのないレポートを見つめる。 規定文字数まであと4000字。提出期限は明後日。明後日はこの課題が提出された授業があって、しかも、レポートに基づいた報告会がある。あさって。水曜日。残り文字数4000字。嘘やろ。 いつもいつもいつもこうだ。大学生になってからいつもこうだ。大学生になってから課題を出される機会が増えるのに

        • 大衆の中の魔物

          「流されない大人になる」 中学生のとき、これからの目標として私が書いた言葉だ。クラス全員分の目標が廊下に張り出されると、友達は私のそれを見て笑った。大げさすぎる、かっこつけすぎ、などなどたくさんのご感想をいただき、しばらくその件でからかわれたのをよく覚えている。 今考えると、確かに無難に早寝早起きしたいとか書いておけばよかったな…と思い出すたびに顔が熱くなる。今も熱い。 でも私はいたって真剣だった。めちゃくちゃまじめに書いたのに、どうして友達が笑うのか理解できなかった。自

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          「自分らしさ」と「フィクション」と「大衆」

          自分らしさってなんなんだろう。 その悩みはいつのまにか出来てたほくろみたいに、気づいたときにはもう簡単には消せないくらい、私の心の奥深くに住み着いてしまっていた。自分のことを一番理解しているのは自分だなんてよく言うけど、私がそう思えたことは一度もなかった。そんな風にどうしようもないくらいふらふらしたまま生きてきてしまったから、「自分」というものを確立して生きているひとを見ると、泣きたくなるくらいあこがれてしまう。 「自分らしさ」を判定するのが自分自身じゃなくて他人であること

          「自分らしさ」と「フィクション」と「大衆」