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課題提出期限まであと、

次に目が覚めたら、課題がぜんぶ終わってる世界線に飛んでたりしないかな。そんなことを考えながら、2時間も前から向き合っているのにも関わらず一文字も書き進められることのないレポートを見つめる。

規定文字数まであと4000字。提出期限は明後日。明後日はこの課題が提出された授業があって、しかも、レポートに基づいた報告会がある。あさって。水曜日。残り文字数4000字。嘘やろ。


いつもいつもいつもこうだ。大学生になってからいつもこうだ。大学生になってから課題を出される機会が増えるのに比例して、自分がいかに怠け者であるか実感する機会が増えた。わたしってマジでクズだな…と身に染みすぎてもはや何も感じない。

わたし全然やってな〜い!やばい!と言いながら裏できっちりやっているような、油断させておいて実は指にはめている指輪は10kgの重りなんだぜ…これを外せばいつでも全力が出せるんだ…みたいな、装備ガチガチな人間になりたかった。高校を卒業する前、単位修得もバイトも遊びも全てを完璧にこなすスーパー大学生になるんや〜!!と高らかに宣言した私、お元気ですか?夢見る乙女も大概にしとけよ。お前は今、丸腰どころかてっぺんからつまさきまで、全身新聞紙製の装備で日々を過ごしてるようなもんだよ。


毎回課題の提出期限の夜に焦り始める。いや正確に言うとその2、3日前くらいからそろそろやばいなと焦り始める。いやでもまだ大丈夫、明日から夜寝なければ余裕でいける。むしろ時間がありすぎるので今日は寝よう!を3日繰り返せばあっという間に提出期限前日の夜が出来上がりだ。おはよう現実、顔洗う前にその腐りきった脳みそ丸洗いしてきな。

いくらそれまで余裕ぶっこいていても、前日の夜となるともうそうはいかない。提出期限は刻一刻と迫っているのだ。もしも間違えて目を閉じでもしたら、次に目を開けるのは提出当日の朝。絶望しきった心と青ざめフェイスにまぶしい朝日は猛毒すぎるし多分ひからびて死ぬ。

私は怠け者だけど、課題を出す気がないわけでも、やる気がないわけでもない。ただちょっと手をつけ始めるのに時間がかかるだけだ。今日だって帰ってきてご飯を食べてからすぐにパソコンを開いた。やる気はある。ただちょっと作業のおともにと見かけだったジョジョを再生すると、ちょうど好きなキャラクターが死亡する回だった。何度も観たし、そろそろ死ぬな…とわかっていてもやっぱりどうしようもなく辛い。センチメンタルな気分になってしまって、どうにも課題どころではない。シーザー…

そんなふうに物思いに耽ったりツイッターしたりツイッターしたりツイッターしたりしていたら、パソコンを開いてから2時間経っていた。大抵いつもこうなる。きづいたら思考がどこか遠くへ飛んで行ってしまう。いやいやそろそろやばい。そう考えながらも本格的に焦りを感じていないのは、どんなにぎりぎりでもいつもなんとかなってしまうからだ。

提出期限前日の夜を迎え、半ば自暴自棄になりながら課題に取り組む。そのまま朝を迎えることも少なくないが、提出期限に間に合わなかったことも、提出しなかったこともない。その度に、やっぱり私天才やな…と馬鹿な勘違いをする。

そんな生活を繰り返している内に、ぎりぎりの土壇場まで課題を放置してしまうという悩みは、ぎりぎりの土壇場になると自分は真の力を発揮する!というすさまじく醜い勘違いに進化してしまった。そんなわけで今日もお気楽な勘違いを解除できないまま、提出期限ぎりぎりの課題に取り組んでいる。提出期限は明後日。残り文字数は4000字。まだ明日があるけれど、明日の夜はバイトがあるので、実質今日がラストナイトだ。さあ勘違い脳みそ、今夜も私の真の力を目覚めさせてくれ。


この間、珍しく余裕を持ってゼミ課題を提出した。いつも通り受け取り連絡として送られてきたメールに添えられた「今回は早かったですね」という言葉を見て、提出締め切りである当日の朝ぎりぎりにメールを送ってきた記憶が、走馬灯のように蘇る。あまりにも情けなくて、そして申し訳ない気持ちで胸がはち切れてそのまま爆発してしまいたくなった。先生にこんなことを言わせてしまうのが恥ずかしくないわけがない。2019年は余裕を持って課題に取り組む人間になろうと固く心に誓った。年明け一発目ですでに誓いを破り気味だけど今回だけは大目に見てほしい。ぎりぎりで生きるのは今回で最後にすると、ここに誓う。

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