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犬の排尿

3月16日 木曜日の日記

 退勤して駅に向かうべく自転車を漕いでいたら、散歩中の犬がおしっこをしていた。

 私が勤めている会社は駅から少し離れた場所にあるため、電車に乗って最寄り駅に着いたら、今度は自転車に乗って会社に向かう。この駅から会社までの道のりに公園がふたつあるせいか(べつに関係ないかもしれない)、散歩中の犬に出くわすことが多い。そのため、犬の排泄シーンにもよく出くわす。

 排便を目撃したときは、運がついたので良いことあるかも!と思うよう自分に課し、不快感を紛らわすことに成功している。しかし、排尿を目撃した際の対処法は見つけられずにいた。なので、犬の排尿に出くわすたび、おしっこをしている…としか思えず、そのたびに、少しの不快感が胸に残った。

 だがこの日の排尿シーンは今まで見たものとは違っていた。
 犬がおしっこをしたあと、飼い主の方が掃除のためにペットボトルで水をかけていたのだが、ただ水がそそがれたのではなかった。ペットボトルの蓋に小さな穴を開けているのか、そういう器具があるのかはわからないが、細長い水が一直線に放出されたのだ。細長い水が勢いよくまっすぐ放たれていくさまは、犬の排尿のそれに酷似していて、おしっこをした上にさらにおしっこをかけているようだった。

 飼い主の方はその場を清めるために水をかけているのに、真逆のことが行われているように見えた。その光景をどうしようもなく気に入ってしまった私は、この先犬の排尿シーンを見るたびに今日のことを思い出し、少し面白い気持ちになるのだろう。



 最近よく聴いているラジオの大喜利コーナーにメールを送った。初めての経験だった。
 毎日のように芸人のラジオを聴くようになってから生まれた大喜利というものへのあこがれと、私もこんなふうにおもしろいことを考えてみたいという気持ちは、日を増すごとにすくすくと育っていった。これまで自分のユーモアに自信がなくメールを送れずにいたが、このまま一生メールを送れずにうだうだしている人生とか嫌かも!!!と思い立ち、勢いでメールを送った。自分の回答がおもしろいとかおもしろくないとかは置いといて、行動できたことがうれしく、達成感が生まれた。

 あとでメールフォルダを見返してみると、誤って同じメールを二回送っていた。こいつはたいして面白くもない回答を自信たっぷりに二回も送ってきていると思われたらどうしようとかつてないほど真っ青になった。

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