白髪と白いシーツと。

今、人生で一番長いロングヘア期である。
一年前、肩につくぐらいの長さだったが今では胸よりも下くらいの長さになった。美容師さんによると、尋常じゃない速さの伸びらしい。私は変態なのだろうか、と聞くとそうかもしれないと返ってきた。否定してくれ。

これまでの髪型遍歴は、だいたいベリーショートかショートヘア。ロングヘアになったことがあるのは3回くらいで、小学5年生、大学1年生、26歳のときだ。
小学生の時に伸ばし始めたのは、同級生の男子から「男かと思った」と言われた一言がショックだったから。学校の地下の暗い廊下を歩いているときに、横にいた男子から言われたのだ。ディズニープリンセスやらお姫様が大好きだった私は超ショックを受けて、伸ばし始めたように記憶している。でも、結局邪魔になって中学生になるタイミングでバッサリ切った。

大学生の時は、成人式の前撮りに向けて伸ばしていた。姉二人もロングヘアで撮っていたから、伸ばすのが当然だと思っていた。前撮りの2日前にベリーショートにした。今回はサイドを刈り上げて。バリカンを買って、サイドが伸びてきたら自分で刈っていた。なんとも爽快。そこからはずっとベリーショートだった。

26歳のときは、人生初無職になり、美容院に行くお金もなくて意図せずロングヘアになってしまった。放っておくと面白いくらいどんどん伸びていった。前髪は自分で切っていた。再就職を機にやっと美容院で切ってもらい、また刈り上げベリーショートに戻った。

今までは、刈り上げベリーショートこそが自分らしさだと思っていた。というより、当時は女らしく見られることを極端に嫌っていて、髪型も服装もボーイッシュだった。けれど、今では自分の女性性というものを受け入れられるようになって、ロングヘアの自分も結構気に入っている。そしてなによりも、楽なのだ。ショートヘアの時は1ヶ月に1度は切らないとモサモサとしていたけれど、今は3〜4ヶ月くらい行かなくても問題ない。前髪も、もはやどれが前髪かわからないくらい長いから切る必要がない。超超楽である。

長い前髪は、普段はセンター分けにしている。ずっと同じ分け方だと、生え際に負担がかかるらしいと動画で見たので、時々左分けにしている。
この間、気分を変えて右分けにしてみたら、頭頂部でキラッと光った。白髪である。1本や2本どころじゃない。4本、いや6本生えていた。
白髪ってそもそもどうやってできるんだろろうか。調べてみると、栄養不足とか生活リズムとかストレスとか加齢で、メラニンが不足して色がつかないまま髪の毛が生えているらしい。まぁ、心当たりは多々ある。しかも我が家は白髪家系。
10代後半からすでに白髪はあったけれど、30代に突入してから明らかに白髪の本数が増えた。すごいよなー、人体って。わかりやすく加齢していく。人体って不思議。
白髪を抜くと増える！ってよく聞いたけれど、あれは迷信らしい。なので1本抜いてみた。1本抜くと他のも抜きたくなって、結局全部抜いた。全く痛くなかった。
照明にかざすと、毛先まで真っ白でキラキラしている。なんかちょっと綺麗だった。

真っ白といえば、最近、寝具を一新した。
これまで、畳＋薄いマット＋敷布団で寝ていたのだが、いかんせん背中が痛い。寝返りが打ちにくい。寝相が悪いので、壁に頭をぶつけることもしばしば。
なので、思い切って厚さ20cmのセミダブルのマットレス（ニ⚫︎リの1万円くらいのやつ）を買ってみた。ちょっと奮発してウールのベッドパッドなんかも買っちゃったりして。いい感じの硬さと柔らかさで、寝心地最高！両手を伸ばして眠れるし、寝返りだって何の抵抗もなくゴロゴロできる。ドリルかっちゅうくらいゴロゴロできる。そしてなによりも、全然体が痛くならないのだ！目覚めが圧倒的に快適。起きて早々、「うっわ、背中いてぇ〜」がなくなった。

一つ寝具を新しくすると、色々と変えたくなるもので。シーツも布団カバーも枕カバーも新しくした。ホテルみたいにしたくて、真っ白にした。
汗と涙が染みついた古いシーツたちと布団は、さようならした。病める時も健やかなる時も共にした寝具たちとのお別れは、ちょっと寂しいような気もしたけれど。すっきりした。今までありがとうよ。

寝具を一新したら、想像以上に快適で。部屋にどーん！と存在感のあるマットレスをみると「寝るぜ〜！」とテンションが上がるし、起きた時も真っ白なシーツが気持ちいい。晴れている日には窓から光が差し込んで、眩しいくらいに爽やかだ。時には、新しくすることって大事ですね。

白髪とかけまして、新しい寝具とときます。
その心は。
どちらも「かれい（加齢・華麗）」でしょう。

全くうまく締められなかったので、この辺で。笑

イラストbyあっこ
ドローイングテイストで。爽やかな感じで描きました。
猫のゆるい表情がお気に入り。笑