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マーケティング~カスタマージャーニーとは

デジタルを基盤にしたITの進化によって、
マーケティングの目的が、
顧客の体験を演出すること
へと変化しています。

旧来のプロダクトアウトの発想を超えられない反省から、
顧客の視点を起点にダイナミックな体験の創造を考え、
その中に製品やサービスが組み込まれることを考える時代となりました。
そのようなカスタマーセントリック(顧客中心主義)という発想が生まれるようになりました。
デジタル環境の変化によって、
マーケティング戦略の立案方法は、
カスタマーセントリックへと大きく舵が切られました。

現代のマーケティング戦略立案において、
根幹を成す顧客体験価値マーケティングというコンセプトと、
その具体的な手法としてのカスタマージャーニーについてまとめます。

■顧客体験価値重視への移行を促す2つの変化
1.企業が考慮すべき情報メディアの変化
企業と消費者の接点の種類と数が飛躍的に増加しました。
特にネット上の情報は、
検索サイトをはじめとしたプラットフォームで選別され、
さらに消費者がその情報を選び取るという意志決定をしない限り伝わらなくなりました。
こうした状況を受け、
企業がメディア戦略を考える際に、
ITとアルゴリズムを活用することが一般化してきました。
レコメンドや検索結果の表示アルゴリズムに合わせる形で、
ITとデータアナリシスを活用したカスタマイゼーションが不可欠となりました。

2.顧客の経験を重視する発想への変化
製品を売る発想が
デジタルメディアの拡大で消費者とのタッチポイントが飛躍的に増加し、
その多くが企業にはコントロールできない状況になって、
売る発想の限界が露呈しました。
その変化を捉え、
消費者の体験の中から商品に関わるタッチポイントにできそうなものを見つけ、
消費者の様々な体験の中から商品に関わるタッチポイントにできそうなものを見つけながら、
体験の瞬間事のニーズに合わせて必要となる情報を提示し、
結果として商品を選んでもらうという発想が大切になりました。

■顧客経験価値の構成要素(判定指標)
顧客の生活が、ある企業およびその商品群と持つタッチポイントで、
どのような経験価値を生み出せるかを整理するためのフレームワークを戦略的経験価値モジュールと呼びます。
・Sense(感覚的センス)
・Feel(情緒的感情)
・Think(創造的認知的経験価値)
・Act(肉体的経験価値とライフスタイル全般で得られる価値)
・Relate(コミュニティによる帰属意識)

■マーケティング戦略とカスタマージャーニー
顧客体験価値をカスタマーセントリックなマーケティング施策で高めます。
そのため、1つの方法論として、カスタマージャーニーマップを利用します。
カスタマージャーニーマップでマーケティング戦略を管理することができます。
カスタマージャーニーマップとは、
顧客の日々の行動や五感に触れる物語を、
時系列に沿ってできるだけ具体的に想像し、
把握するという考え方です。

まずは、
観察すべき顧客の行動を限定した上で、
タッチポイントを洗い出し、
どんな場面でどんな経験価値を顧客に感じてもらえそうかを可視化
します。
その過程で作られるのがカスタマージャーニーマップです。

カスタマージャーニーマップを作るためのステップ
1.ブランド戦略を確認し、企業が求める顧客との情緒的関係を定義する。
2.ブランド戦略と調査に基づき、ペルソナ(仮想顧客)を設定する。
3.ペルソナを利用してカスタマージャーニーマップを描く。
4.真実の瞬間(moment of truth)を洗い出す。
5.実行する真実の瞬間を決定し、具体的なアクションプランとKPIを計画する。
6.カスタマージャーニーマップの必要な見直しを行う。
7.3,に戻る。このとき、ブランド戦略を反映させる目的以外にはペルソナにこだわらず、
得られた結果をもとにアジャイルに内容を変えていくことが必須である。
8.4以下を繰り返す。