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論語~公冶長(こうやちょう)第五

論語は、孔子が弟子と問答した内容を、
孔子の死後に弟子が書物(20編512文)として残したものです。
20編毎に解説をしていきます。

第5編の公冶長(こうやちょう)とは、道理に関する記述が多い編です。
ちなみに公冶長は、孔子の門人で才能があった七十子の一人です。
孔子は、人物の評価を通じて徳者に対する考えを説いています。

1.縲絏の中に在りと雖も、その罪にあらざるなりと。
評判が悪いからといって、その人を判断するのは良くない。
実際に自分の目で見て判断する。

2.邦、道有れば廃せられず。邦、道無きも刑戮より免る。
道理の通らない社会なら、表舞台から退いて晴耕雨読の生活をしても良い。
道理の通る社会だからこそ、活躍の道が開ける。

3.身近にいいお手本となる人がいると、下の者も立派な人物となる。
成長環境をいいものにするかどうかもまた、自分次第である。

4.大事な祭りのときにお供えを入れる器を持つ。

5.いずくんぞ倭を用いん。
口の立つ者を登用することはない。
仁の徳を身に付けているどうかで登用する。

6.謙虚さと向学心を持つ。

7.精神的な成熟や学問の足りなさや経験を認識する。

8.仁というものを身に付けるのはたやすいことではない。

9.一を聞いてもって十を知る人物になる。

10.朽木はえるべからず。糞土のしょうは、ぬるべからず。
常に学ぶ気がなければ話にならない。
行いを観てから判断する。聴いて判断する事はできない。

11.棖や欲あり。いずくんぞ剛なるを得ん。
金銭欲や出世欲があると、自分の考えを貫き通すことが難しくなる。
欲が強いものに剛や柔や仁や徳はない。
信用できるのは、欲のない人間。

12.人にやられて嫌なことをしない。

13.人の本質と天の道の関係は深遠である。

14.自ら実践することを重んじる。

15.敏にして学を好み下問を恥じる。

16.君子の道は4つあり。
行いは恭、慎み深く目上の人には敬、敬意を忘れず民に対しては恵、情け深く民を使うに義。

17.付き合いの長い相手にも敬意を持ち続ける。

18.出しゃばりは知者とは言えない。

19.忠なり。自分より国のことを考える。仁とは私心のない知者。

20.再びせばこれ可なり。
二度考えが浮かんだら行動する。

21.国が乱れた時こそ知を持つ。

22.志大きく色彩美しくどう裁断するのか。

23.度量の大きさで悪事を気にせず。

24.馬鹿正直という者がいるが隣りに借りてでも与える心を持つ。

25.恨みがある人間と付き合わない。

26.志は老者から安心され、朋友から信頼され、年少者から慕われる世の中にすること。

27.自分の過ちは自責して忘れる。

28.忠心の徳を持つものが学をも志す。

まとめ
第5編の公冶長とは、
徳者に対する考えを説いています。

徳とは欲のない人と説いています。
「より良い社会を創るための道は、恭、敬、恵、義の心である」
と論語の公冶長第五は説いています。