見出し画像

The Book Eaters by Sunyi Dean


あらすじ

Devon Fairweather は息子 Cai と二人で人間の住む町で暮らしている。Devon は本を食べる Book Eater だが、Cai は Mind Eater で人の心を食べるため、Devon は餌になる人を誘惑しては Cai に食事として与える生活を送っている。困るのは「餌」となった人たちの処分だ。実は、Mind Eater の食欲を抑える薬 Redemption を発明した Ravenscars という一族がいたのだが、内部分裂が起きたあと行方が分からなくなり、薬が手に入らなくなってしまったのだ。息子の幸せのため、Devon は Ravenscars 一族を探すため北へ向かう……

読みどころと感想

どんなジャンルの本がわからず読み始めたのですが、めっちゃファンタジーでした。V.E.シュワブが好きな人は好きかもしれない。Book Eater は本を食べるための歯を持ち、食べた後は本の知識が自分のものになります。暗記パンか!ちょっとネタバレになりますが、Mind Eater は吻を人間の耳に伸ばして心を食べ、食べた人の意識を取り込みます。子供の Cai がおっさんを喰ってしまって「ビール飲んでいいか」とおっさん声で話すところとかはコメディかと思ってしまった。Book Eater は子供が生まれてもほとんどが男で、女の Book Eater は二人までしか子供が産めないため、一人産んだ後は嫁ぎ先を変えるとか、設定がいろいろ凝っています。Mind Eater は突然変異みたいな感じで生まれるようなのですが、Redemption が発明された後は、薬で抑えて Dragon として育てているようです(このあたりよくわからなかった)。全体像がかなり最後のほうにならないとわからないため、?マークを頭にたくさん並べながら読んでました。
ファンタジーだと思えば面白いですが、ツッコミどころもたくさんあります。そもそも Mind Eater は「人間がかわいそう」という倫理的な理由で抑圧されているのですが、主食ならいいじゃん!って思うんですよねー。人間に狩られるからとかそういう理由ではなさそう。そして、食べた人の意識は全部残ってるのか、残っていたらめっちゃ多重人格になりそうなんですけど。きっとどこかで消化するだと思うのですが謎でした(ちゃんと説明が書いてあったらすみません)。
さんざん書きましたが、後半は二転三転してうまく着地するので面白かったです。前半はファンタジーを楽しめるかどうかによるかと思います。

この本について

タイトル:The Book Eaters
著者:Sunyi Dean
出版年:2022
出版社:Harper Voyger
ページ数:298

https://amzn.to/3UJuOGu

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?