見出し画像

Slow Dance by Rainbow Rowell


あらすじ

高校時代の親友 Mikey の結婚式で、Shiloh と Cary は14年ぶりに再会する。三人は仲の良い友達同士で、とりわけ Shiloh と Cary は周囲から「付き合っている」と思われるぐらい仲が良かった。だが、二人は友人関係を貫き通した。なぜなら、卒業はそれぞれ別の道を歩むことになっていて、これまでのように会えなくなるからだ。Shiloh は大学に進学し、その後 Ryan という男性と結婚して二児をもうける。だが、まもなく結婚生活は破綻し、オマハの実家に戻っていた。一方、Cary は海軍に従事し、一年のほとんどを海上で過ごす生活をしている。久しぶりの再会でかつての友情を取り戻したが……。

読みどころと感想

YAの名手 Rainbow Rowell の最新作で、30代の男女の友情(愛情)を描いた小説です。タイトルの Slow dance というのは、「もうすぐ卒業するから思い出にスローダンスの相手をしてほしい」という Cary に対して、Shiloh が頑なに拒否したシーンから来ていると思うのですが、Shiloh の頑固さで現状を変えたくない性格が原因で Cary との距離がなかなか縮まらない。Cary は自分の感情に素直だし、それをちゃんと Shiloh に伝えているのですが、Shiloh は「友人」という関係を変えるのが怖いのか、しきりに「私たちはベストフレンド」と言い切ります。そんなこんなで、せっかくのチャンスも逃すし、二人の関係もなかなか進展しないので、まさに Slow Dance です。あまりに何も起こらなさすぎて、400ぺージほどの本を読み終わったところで「で、結局この間に何があったんだっけ?」と思ってしまいました。たしかに何も起こらないですが、別れた夫と親権50/50で子供二人を育てているし、子供にとっては別れた夫は永遠に「父親」だし、海軍にいる Cary は世界のどこにいるかもわからないし、そうそう大きな決断はできないよなあという極めて現実的な Shiloh の気持ちもわかります。私は毎日40分ぐらい、Netfilix のドラマを見るような気持ちで読んでいましたが、「展開が遅すぎる……」と思う人たちも一定数いるだろうなあと思いました。

この本について

タイトル:Slow Dance
著者:Rainbow Rowell
出版年:2024
出版社:Penguin Random House
ページ数:464

https://amzn.to/4gzAg92  (Amazonアソシエイトに参加しています)


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?