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「冬の越え方」【詩】

枯れ木は岩を枕にして
岩は波音を聴きながら
三年ぶんの冬をこえる
ぼくは冷たいシングルベッドに
たとえば地上のからっ風を
心のかぎり抱きよせる

ぼくはまだ
なにももたないけれど
ぼくはまだ
なにも失ってはいない

ぼくなりの冬の越え方を
きみに教えてあげるから
どうぞまだ何者でもないぼくと
春に会ってはくれないか

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