「夜の闖入者」【詩】

ある夜
悲しみに触れた
ある朝
さみしさに殺されそうになった

一晩中、
となりにいてくれたのは
ひとりぼっちのこの部屋の
闖入者

かれは名前を春といった
けれど名のりもしなかった

季節よ
あなたのせいで傷ついたのに
あなたのおかげで生きています
こんなぼくを
みすてたりはしない
たったひとりの友よ

春風よ

夜の大悪党よ

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