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「迷子になった春」(歌詩)

誰かにとっての不幸が
生活を支える
僕は世界の行き止まりで
立ち尽くすだけの今日

狂おしいほどの愛など
映画で観るだけで
濡れたベッドに月は落ちて
暮れてゆく春の夜

最後に 最後に会った人は
忘れられない人でした
悲しみを越えてきっといつか
大人になる日まで

迷子に 迷子になった春です
揺れる背中追いかけて
識らずにおけばよかった
ことばかりが溢れだすよ

鏡に映した真顔が
また一つ嘘をつく
誰も幸せにできない
優しさの鉄仮面

正義感を振りかざして
巨大な戦車がゆく
血の滲む轍を辿り
君には会えずじまい

透明な壁にきょうも向き合い
手にしたいものはなんだろう?
生まれた街の向こうに見える
灯台の灯りを

迷子に 迷子になった日にも
守りたいものはなんだろう?
熱い日差しを浴びて
溶けてしまわない願いを

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