「冬の散歩道」(歌詩)

冬の散歩道
君を想うたび
胸に灯る恋
淡い月明かり

あの日去り際に
吐いた白い息
雪になるまえに
心を湿らせる

冬の散歩道
ひとりにさせて

香る沈丁花
いとし濡れ睫毛
春を待ち侘びて
羽なき鳥が啼く

あの人はどこに
風にたずねても
後朝(きぬぎぬ)のように
胸が張り裂ける

旅の心で見たなごり雪

冬の散歩道
枯れた並木道
伸びる影法師
あの日に帰りたい

冬の散歩道
往くあてもなし

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