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ストーリーが先か?キャラが先か?

●面白い物語には印象に残るキャラがいる

ライトノベルやエンタメ小説、アニメ、ゲーム、エンタメ映画、ドラマといった作品は、まずなによりもキャラクターが重要になります。

例えば、ミステリー作品だと印象的に残る探偵役が多いですよね。
シャーロック・ホームズ、エルキュール・ポワロ、ガリレオ(湯川)、江戸川コナン、古畑任三郎、杉下右京などなど。

みなさんも印象的なアニメや映画では印象的な主人公やヒロイン、サブキャラが思いつくのではないでしょうか?

このように面白い物語には印象に残るキャラがいます。

キャラクター人気が高い作品ほどシリーズが続きますし、アニメの場合はグッズやイベントの展開がされます。

お客さんはストーリーにつくのではなく、キャラにつくのです。

●ストーリー>キャラにするとキャラが死ぬ

しかし、なぜか(私自身もかつてそうだったのですが)伸び悩んでいる作家志望さんたちはキャラクターを活躍させることよりも、ストーリーを優先させて考えてしまいがちです。

そのために、キャラクターに全く魅力を感じないのです。

それはお話の中でキャラクターは与えられたとおりに物語を進むだけの存在となっているからです。

キャラクターの「活躍」が作中で描かれていないのです。

単に「活躍」といっても、痛快に事件を解決するだけではなく、時には悩んだり、時には一生懸命に頑張ったり、時には色っぽいシーンが出てきたりと、とにかく一つ一つの場面がちゃんと主人公を含めたキャラクターが読者や視聴者に印象に残るような形になっていないのです。

キャラクターを魅力的に見せるためには、文章、演出、見せ方、セリフなど気を配るところはたくさんあります。

それなのに、平凡なセリフ、平凡な反応、平凡な描写しかしていないのです。もちろん変なクセや変な語尾や頭がおかしいようなセリフを言わせれば、キャラが立つわけではありません。

読者や視聴者に感情移入させたり、興味を引かせたり、予想外の反応をしたりして、そのキャラクターをしっかりと知ってもらい、愛されるようにしなければいけません。

そこに全力を注がなければいけないのです。

●全体の構成だけではなく、一つ一つの場面もしっかりとみる

確かに起承転結や三幕構成といった全体の構成というのは、物語を盛り上げるために必要な技術です。

でも、それ以上にひとつひとつの場面が面白く書けているか、ちゃんとキャラが愛されるようになっているか、面白いと思ってもらえるかを意識してみると、より物語に躍動感が出てきます。

●私自身の失敗談

私自身、デビュー前から編集さんに「キャラを立たせてください」と散々言われましたが、「キャラを立たせるとは?」とずっとわからずにいたため、魅力的にキャラを描くことができませんでした。

しかし、ある日、「ストーリーのためにキャラがいるんじゃない。キャラのためにストーリーがあるんだ」ということに気づいてからは、物語を書き方が全く変わりました。

そこからは、デビュー時は散々だった評価も、現在ではそれなりに評価と仕事をいただけるようになりました。

そのため、結果に伸び悩んでいる人がいたら、まずは「魅力的キャラクターを描けているか?」「キャラクターのための物語になっているか?」という観点で、ご自身の作品を見直してみてはいかがでしょうか?

最後までご覧いただきましてありがとうございました。


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