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これで出遅れを防ぐ!サポートブックの活用

 この記事では、園から小学校に上がる時に、日常生活に困難さがあっても、できるだけスムーズに進学できるように、関係者の連携シートについて解説しています。

 幼稚園、保育園に通いながら、児童発達支援事業所や病院などで支援を受け、できる事が少しずつ増え、ようやく生活が安定。発達のゆっくりさを何となく理解できてきて、ホッとする頃に、出てくる話が小学校入学です。

あれ?慣れ親しんだ園から、また環境が変わるよね?
できてた事って、もしかして、またできなくなる?
園よりも小学校ってクラスの人数増えるよね?
先生、見ててくれるのかな?その前に、分かってくれるかな?
家の様子ならわかるけど、担任の先生に園の様子は細かく伝えられないよ!
6年間もあるんだから、できれば初めからつまずきたくない。

 環境が変わるという事は、子どもも親も一苦労ですね。
 その変わり目を、できるだけストレスが少なく、次のステップへ繋げてくれるのがものがあります。

発達障がいサポートファイル

 熊本県では、サポートファイルという冊子を出しています。
 サポートファイルは、お子さんが、園から小学校、小学校から中学校など、切れ目のない支援を受けながら生活するための道具です。
 お子さんに関わる関係者全員で、サポートファイルを作り、活用することで、お子さんやその家族が自分たちの意思で、人生の選択や決定をして、生活をより良くできるよう願って作成されたものです

 サポートファイルは『必須シート』と『関連資料シート』に分かれています。
 必須シートは、お子様のこれまでの成長や得意な事、苦手な事、就学に伴う学習の状況などを書くものになります。また学校の状況について、ほとんどの項目を、保護者が書くことになります。細かく把握することが難しいため、担任の先生にも依頼してみてはいかがでしょうか。

 また、学校の状況だけでなく、事業所での様子や発達障がいの特性について、経過を追ってみれるものもあります。必須シートと合わせて、使うことで、お子さんの進学時の選択材料(支援学校?支援クラス?)になるのではないでしょうか。

移行支援シート(園での生活について)

 就学や進学の時に、活用できるシートとして熊本市が出しているものもあります。
 移行支援シートは、幼稚園や保育園の先生に、日常のお子さんの様子について書いてもらいます。これまでの園の活動で、できるようになったこと、得意な事、必要な支援の有無や、これからの課題になりそうな事を書いてもらいましょう。

就学支援シート(家・園での生活について)

 移行支援シートとは違い、『(1)健康や日常生活面で引継ぎたいこと』『(2)人とのかかわり(コミュニケーション)で引継ぎたいこと』『(3)興味や関心、性格や行動の特徴で引継ぎたいこと』について、保護者と園の先生で書くこととなります。

 お子さんの様子を、先生に書いてもらう事となりますので、12月くらいまでに保護者がこれまでの生活や希望を記入し、1月くらいに園の先生にシートを渡せると良いでしょう。園の先生には、2月くらいまでに記入してもらうことで、スムーズな就学ができる事が理想です。
 詳しくは各園の担任の先生に確認をお願いします。

まとめ

 シートを活用することで、園から、小学校の先生に上手にバトンパスをしてもらい、関係者が情報を共有する事で、お子さんの力を十分に活かしながら進学する事ができます。
 それだけではなく、あらかじめ、お子さんの苦手な事が分かってると、その場面になった時に避ける事ができたり、心の傷が浅かったり、回復が早かったりします(レジリエンス)
 また、園の先生だけでなく、児童発達支援事業所の担当者や、病院のリハビリの先生にも、お子さんの様子や能力について情報を書いてもらいましょう。とても手厚い移行支援になり、小学校の担任の先生も喜ばれる事でしょう。
 できれば、お子さんのできる事、得意な事を沢山書いてもらい、入学と同時に、みんなのヒーローになれると、お子さんにとって本当に楽しみな小学校生活になるんじゃないでしょうか。
 お子さんの楽しい6年間のために、みんなで知恵を出し合いましょう!

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