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男が喜ぶ「さしすせそ」

3年くらい前、わしは結婚したくて必死だった。
元来、自分に合わない相手、何も学べない相手といるくらいなら死ぬまで1人でいいと思う性格だったのに、自分にとっての幸せの基準みたいなのを見失ってたので、早く結婚して、早くSNSに結婚報告して、早くみんなにおめでとうって言われたくて、
それが幸せだと思ってた。

そんな気持ちとは裏腹に、恋愛はうまくいったりいかなかったりで、まぁとにかく必死だったので、それっぽい本を買って読んでみたり、ネットで恋愛に関する記事を検索したりと、可愛らしい事をしていた時期もある。

ちょうどその頃に家出もしたので、晴れて当時の彼氏との同棲も始まったわけで、
どうにかこの生活を出来るだけ効率よく幸せに運んでいこうと考えてた時期に、タイミングよく恋愛講座のようなものを受ける機会があった。

食わず嫌いなので、あんまりそーゆーの好きじゃないんだけど、そうやって否定して受け入れる姿勢が全く無いのもよくないよなと、
話を聞いてみるだけでもいいのではと思って受けてみた。

紙に色々、どーゆー恋愛がしたくて、どんな人生を歩みたいかを書いてくださいって言われたんだけど、正直わしにとってこの質問はしんどかった。

恋愛に理想像が全く無いし、人生は穏やかに幸せに暮らせたらそれでいい。というか、それしかない。

もっとやりたい事考えよう!もったいないよ!目標設定してクリアしていこう!的な事を言われたけど、無理なのだ。
わしにその思考回路はないのだ。
というか考えると辛くなるからやめてほしい。

結局わしは恋愛を上手く進める術をインプットする前に内面の辛さが爆発して、結構意味のわからないタイミングで泣き出して、周りに気を使わせる羽目になった。

ただ、そんな中でも強烈に覚えているのが、
男が喜ぶ「さしすせそ」だった。

すが
 しらなかった
 すごい
 センスいい
 そうなんだ」

という言葉を沢山相手にかければ、
恋愛関係は上手く進みやすくなるみたいな内容で、

褒めて伸ばせと言う思考自体、
貶しに貶されて根性だけで生き延びてきたわしには新鮮&世の中そんな簡単に褒められていいのかって感じだった。

振り返ってみれば確かに、彼氏の事をそんな風に褒めた事ほぼ無いなと素直に思ったので、
わしなりにそれから会話の中で褒める事を増やすように心がけた。

だけど、まぁ〜、ぶっちゃけ、しんどかった。

だって、全然1ミリも「すご〜い」とか思えないんだもん。
こんなキャバクラの接客みたいな態度をなぜ彼氏に意識して取らなきゃいけないんだろうって
内心ずっと疑問だった。

確かにネガティブな面にばかりフォーカスするくらいなら、良い面に目を向けて、良いと思ったことを素直に伝えることは大事だと思ったけど、

褒めてもらいたいなら褒めてもらえる行動をすべきだし、大人になったら育ててもらうんじゃなくて勝手に育てよだし、自尊心くらい周りの評価じゃなくて自分で保ってくれませんか〜?!

こちとら、親から死ねって言われても
毎日可愛いをキープしながら必死に
生きてきたんですけど?って感じじゃん。

まぁこれはわしの育ってきた環境だけに言えることだから、ただのわし個人の感情でしかないけど、

でも、そうじゃないとしても、
なんで男の自尊心を高めて良い男に育てる為に
女が気を遣って褒めて育てなきゃいけないのか。

正直意味がわからなかった。

とはいえ幸せを見失って焦っていたので
「さしすせそ」を駆使するだけで相手が育つならと、自分のメンタルに負荷をかけながら褒める努力をしまくった。

結局相手が育ったのか、関係が良好になれたのかはよくわからん。

そもそも本当に感情のこもってない言葉なんて
何の意味もなかったんやと思う。

ただ、今の彼氏と過ごしてて思うけど、
相手が自分にとって褒めるに値する人間だったら、意識しなくても勝手に「すご〜い」て言葉出てくる。

「さすが」も「センスいい」もぽんぽん湧き出てくる。

"男は「さしすせそ」で喜ばせて育てる"
じゃなくて、
"自分が無意識に「さしすせそ」で褒めてしまう相手を選べ"
が、わし的には正解でした。

自分の機嫌は自分で取れが主導権を握り始めた世の中で、恋愛だけは女が裏で男に気を使って当たり前なのまじで意味がわからない。

という事で最後にわし的恋愛「さしすせそ」を。

っさして
 しらんがな
 すじとおせ
 せんならせん
 それはそれ」

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