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甘ったれのメカニズム

息子の空手に先週、また
5歳の男の子が体験に来ました。

どーやら中国人
どーやら泣き虫
どーやら甘ったれ

お母さんは日本語が話せるが
男の子は微妙らしい。
言葉がわからないこともあってか
不安すぎて?号泣。
そしてこの泣き声が、悲痛すぎて

うーんなんかだ私まで胸が痛い。

そして、この子、50分のレッスンずっと号泣。
逆に根性あるな
と感心したが

ことあるごとに後ろで見守るお母さんのところに駆け寄りガッチリ抱きつき
号泣して何かを訴えている。

お母さんはといえば
何かを諭している
おそらく早く戻れと言っているものの
我が子のその号泣っぷりに
やや動揺。
それを見逃さない息子。
さらにガッチリお母さんをホールドして号泣。

そんなこんなで
この子は入会しないのかな、、、
なんて思ったのに
今週なんと正式に入会して空手教室に登場。

入り口でまた声をあげて泣く男の子
しかしお母さんは
「よろしくお願いします」と言って
くるっと踵を返して立ち去る。

レッスンは割と親が見守ることが多いのだが
もちろん、見てなくてもオッケーなこの空手教室。
泣く子に対して
あえて去ることを選んだこのお母さん。
「あとは先生、よろしく!がんばれ息子!」
お母さんの潔い背中から
そんな言葉が聞こえた気がした。

男の子はといえば
やはり号泣するも
早々に諦めて黙って黙々と始めるではないか。

うん、そしてそんなに
下手じゃない。
お前、もしかして、やればできるやつなんか


お母さんの分までこの子を勝手に見守り
心の中でつぶやく私。

なるほど

甘ったれは
甘ったれる先がないと
成立しないのだ。

甘ったれを甘ったれたらしめるのは
甘え先であるのか。

甘える先がない場合
甘ったれは甘ったれられない。

やるしかない。

5歳ならたぶん、もうソレはわかるのだ。
いや、この子確か先週も
お母さんが自分の泣く姿に対して「迷い」を見せた瞬間を見逃さず、ますます悲しみに満ちた大きな声で泣いていたではないか。
そもそも策士に違いない。
賢いのだ。きっと。

しかし今回はお母さんも「去る」という作戦に出た。

この母子、なかなかやるな、、、

母とは
子とは

なんと不思議な関係なのか、と
ふと我が子を見ると
一生懸命、全力で準備体操をしていた。

うちの子は、作戦とか、
ない。




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