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【FTVA Global】Connected TV: その成長を無視出来ない理由

皆さん、こんにちは。セッションに参加頂きありがとうございます。最新のグローバルConnected TV(インターネットに結線されたテレビ、以下CTV) に関する調査を紹介します。CTVの話題に入る前に、3月~4月に行った消費者行動調査を振り返ってみます。
10月にCTV調査を行ったのは、パンデミックでCTVの視聴時間が非常に増えたことが分かったからです。

これは、消費者行動の変化に関する数多くの調査と同じことだと思います。赤いバー・・モバイルが勝者です。人々はスクロールに多くの時間を費やします。主な動機の一つは、友人や家族と連絡を取り合うことでした。
そして2番目に大きいのがCTVです。イギリスでは、62%の人がCTVに以前より時間を費やしていると答えています。それに少し色をつけるために、人々がどのようなジャンルの番組を見ているか調べました。アメリカを除く世界の殆どの国で、ニュースがトップなのが分かります。ニュースとドキュメンタリーが混ざっています。事実に基づいた真面目な内容。しかし、人々は明らかに逃避やエンターテイメントを求めています。コメディ、ドラマ、アクションは殆どの市場で求められています。アメリカではコメディが一番人気です。

これがCTV調査のきっかけになりました。私たちはもう少し掘り下げてみました。アメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ、シンガポール、日本を含む世界中の市場で計5,000人以上の消費者を調査しました。
①CTVアクセスに人々はどの様なデバイスやサービスを使っているのか、②CTVの成長の理由は何か、③私たちは広告付きモデルに注目していました。CTV環境下で人々はどの様に広告に反応しているか? また、それは一般的なテレビやテレビ広告体験とどう違うのか?

主要な3つの見出しを示すところから始めたいと思います。最初は、先ほどお話した広告のポイントですが、CTV広告の視聴者は、テレビ広告を従来の形で消費する人々より高いブランドとビジネスのメトリクスを持っていることが分かりました。それはエキサイティングな発見でした。また、広告型のCTVコンテンツには大きな需要があることも分かりました。つまり、コンテンツが同じであれば、広告なしでお金を払って見るより、広告ありで無料で見たいということです。そして最後に、視聴者の規模です。つまり、CTVの視聴者数が非常に多いということです。全ての市場で、大多数の人がCTVを経由してテレビを見ている様です。全くニッチな視聴者ではありません。つまり、すべての年齢層、すべてのデモグラです。

まず機会の大きさから見てみましょう。全ての市場を見てみます。世界平均では、約4分の3の人が既にCTVコンテンツにアクセスしています。

スマートTV、ゲーム機、Blu-rayプレイヤー、ストリーミングデバイスの何れかですが、大多数が複数デバイスを利用してCTVを視聴しています。日本では、その数値は少し低くなっていますが、アメリカ、イギリス、シンガポールでは、複数デバイスでCTVにアクセスしている可能性が高いことが分かります。

彼らのデバイスが何であるかを見れば、それらがどの程度普及しているかが分かります。スマートTVは、予想通り、日本を除く殆どの市場で最大のデバイスです。日本では、Blu-rayプレーヤーが私たち誰もが気づいていない位普及しており、少し驚きました。日本の同僚によるとこれは本当だそうです。

Amazon Fire StickやRoku TV Stickなどに代表されるストリーミングデバイス。上のチャートの黄色いバーです。アメリカとイギリスでは特に普及していることが分かります。これらのデバイスは、所有していない人の間でも非常に高い認知度を誇っていることが分かりました。また、所有しており、ポジティブな経験をしている人々は、高いユーザー満足度を持っています。ですから、来年位にはもっと普及していくのではないかと予想されます。
コンテンツにアクセスするために利用しているサービスへと移ります。全世界の平均レベルで見ると、Netflixのような定額制サービスと、広告付きモデルは、全体的に同等のレベルであることが分かりました。しかし、各市場を見ると、実際には幾つかの大きな違いがあります。例えば米国では、有料ストリーミングが非常に高いのに比べて、広告付きストリーミングはかなり低い。日本はその逆でイギリスは非常に近い。ここで指摘しておきたいのは、イギリス、オーストラリア、日本では、広告配信モデルには放送局のVODも含まれていると思います。

そこで、なぜ有料ストリーミングサービスに加入するのか聞いてみました。第一の理由は、利用可能なコンテンツの質と範囲の広さであることが分かりました。人々がストリーミングサービスに料金を支払うことを選ぶ理由です。こちらを見れば分かると思いますが、コンテンツはチャートの黄色で示されています。広告の回避も含まれていますが、これも勿論別の要因です。一部の人々は、彼らがストリーミングサービスのために支払う理由は、広告を取り除くためにあると言います。これらのチャートで見ることができるように、全ての市場では、広告回避は二次的な考慮事項です。つまり、コンテンツはいつものようにキングです。

ですから人々はテレビに使うお金を減らそうとしているのです。これは、調査から得られた興味深い結果の一つです。我々は多くの人々がケーブルや衛星放送上で複数の有料ストリーミングサービスに加入していて、コストが多くなっていることに気付きました。これは世界中で見ることができます。どの市場でも、今後12ヶ月間でテレビ視聴にかける経費を減らそうと考える人の割合が高く、日本とシンガポールでは特にそうなっています。

シンガポールでは77%の人が該当します。年齢別に分解してみると、特に若い層の方がコストを意識しているということです。そのためには、ストリーミングの契約数を減らしたり、ケーブルや衛星放送を解約したりすることが重要です。私たちが人々に尋ねた質問は、お気に入りの番組を見る場合、広告なしでお金を払って見るか、広告ありで無料で見るかというものでした。世界全体では、どの市場でも約4分の3の人が回答していますが、日本では更に高くなっています。

人々はお金を払いたくないと思っています。つまり、他のチャートやこの調査でもわかるように、広告回避の要素があるということです。これはストリーミング配信のメリットの一つですが、最終的に、この様な選択肢を与えられた場合、人々は広告付きモデルを好むのです。これは興味深いことで、私がこの調査について話をした多くの人がかなり驚いていたと思います。 年齢別や年収別に分解しても、この傾向(意向)は一貫しており明確でした。

さて、CTVの広告について見ていきます。私たちが行ったことは、CTVの広告を見た人と、他の環境で広告を見た人(いわゆる「テレビの基準」)での比較です。これらの大きなアップリフト(上昇)を参照ください。

リニア放送やオンラインビデオとは対照的に、CTV広告には幾つかの利点があることを示しています。
ムードが鍵を握ということが分かります。私たちは、より記憶に残るのはどんな時広告か尋ねましたが、多くの人が、その時のムードと一致した広告と回答しました。また、トピックのマッチングです。テレビ番組のトーンに合わせるということですが、これはムードと似ています。あなたのムードは、どのテレビ番組を見るかに影響されます。これら3つ(ムード、トピック、番組のトーン)の要素は、ムードやコンテキスト(文脈)に合わせたターゲティングの様なもので、CTVでは、従来のテレビより多くの機会があると思います。加えて、インタラクティブ性は広告主にとっても刺激的なオプションです。
私たちは、記憶力と広告の重要性について多くの調査を行ってきました。何故なら、感情的な広告によって、より深い記憶構造が作られるからです。それが最終的な効果やフォローアップ行動を促進する広告となります。これは以前のチャートの同じ様なものですが、CTVの視聴者と「テレビの基準」間ではアップリフト(上昇)が見られます。好感度、ブランドや製品を調べようとする意向、友達に教えようとする意向、オンラインでも対面でも店舗を訪れようとする意向など、上昇が見られます。それは市場によって異なります。実際にはシンガポールが最も上昇率が低く、オーストラリアも他の国に比べて低くなっていますが、好感度や口コミなどでは良い数字を出しています。アメリカ、イギリス、ドイツでは印象的な上昇が見られます。

そしていよいよCOVIDの効果に戻ります。人々に「新しいものを試してみたいと促されたことはありますか?」とと聞いてみたのですが、AVODについて聞きました。パンデミックが始まってからの広告型無料サービスについて聞いている訳ですね。
そして、多くの市場では5分の1くらいだと分かります。幾つかの市場ではもっと高くなっています。米国は3分の1以上。シンガポールは半分ちょっと下。COVIDの調査で見たことと同じですが、テレビの視聴が増えていることで、新しいコンテンツへの欲求が高まり、新しいサービスを求めるようになっています。そのため、人々はより多くの無料サービスを試しています。これは一過性のものではなさそうです。

赤いバーは新しいサービスを試した人を示しています 今後12ヶ月間の継続を予定している人の割合です 殆どの場合約80%です。日本のドイツではもう少し低いです。しかし、殆どの市場では、広告付きCTVの利用が恒久的に増加しているように見えます。

この調査から得られた主な発見(Key Findings)は、まずCTVの視聴者数が如何に多いかということですが、これは市場全体で一貫しています。そして、実際、人々の大半は複数デバイスを介してCTVにアクセスしています。この様に、広告主にとってはエキサイティングなパレットです。異なるスクリーンでメッセージを適応させると、新たな視聴体験になります。そして、消費者は広告配信モデルを求めています。つまり、殆どの人がテレビへの支出を抑えたいと考えています。そうなると、自然と広告付きモデルのチャンスが開けてきます。消費者の4分の3が広告付きモデルを好んでいます。
そしてCOVID統計です。1つの側面は、人々はパンデミックで始まった新しいCTVサービスを試しています。そして殆どの人々は(特定の市場ではより多く)、少なくとも来年継続することを計画しています。そして、最後に広告データを再集計すると、CTV広告はより記憶に残る様です。そして、それは視聴者のムードと一致させる能力とリンクする様に見えます。ジャンル別のコンテキストマッチは、彼らの興味に一致します。このように、コンテキストに応じたターゲティングの機会は、CTVにとって重要であり、効果の向上につながります。特に、ブランド好感度や口コミなどの評価基準だけでなく、店舗への来店、購入意向、ブランドや製品の検索などの直接的な反応についても、(従来の)テレビと比較して、全ての市場で上昇が見られました。

以上でグローバルCTVの概要を終わります。ご覧頂きありがとうございました。

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