人間にとって感覚は知性以下ではない(唯識に学ぶ006)
感覚は人の「情」を育てるのではないかと思います。理屈ばかりが先行して、頭でっかちでは、相手の立場に立つことなどできないですよね。渋沢栄一も常識とは、「智慧、情愛と意思」の3つバランスを保ち均等に成長したものと述べています。強い意志と、聡明な智慧を、愛情で調整する。「感覚」がなければ「情」が調整できません。先代旧事本紀大成経の憲法十七条の第一条にも「楽は情を和らぐ」と書かれています。「情」を中心に持ってきています。それほど、人にとって「情」というのは大事なものではないでしょうか。
人は感情の動物と言われています。情を豊かに育んでこそ、人らしい生き方ができるのではないかと思います。
仏教では食べ物以外に、食が四種類(段食、触食、思食、識食)あると説くのですね。食べ物をはじめ、感じたことや思ったことに加え、自分のやるべきことを果たすということも心身の栄養になるのですね。
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