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#ドッグイヤー 『地域づくりの新潮流』スローシティ アグリツーリズモ ネットワーク 1

地域づくりの新潮流

■ドイツの都市学者トマス・ジーバーツは、ヨーロッパで称揚されるコンパクトシティ論に異議を唱え、理想的なコンパクトシティなどはあり得ず、実際の都市のあいだは空白ではなく、むしろその部分に現代文明のリアリティが露呈していると指摘している。

■近年全国的に推進された市町村合併が必然的に自治体の広域化を招き、どの自治体も多かれ少なかれ多極的構造にならざるを得なくなった現実である。合併の究極的目標は、合併後のさらなる一極集中化にあるのだろうが、それでは真の意味での地域再生にはならない。

■イタリアの人口はわが国の約半分、5742万だが、さまざまな意味でわが国の地域再生に示唆を与えてくれる側面を持っている。イタリアの田舎はいま元気がよい。人口2000ほどの小さなまちでも、世界を相手に勝負しているところがある。

■イタリアで注目される地域再生の動きはスローシティ運動である。1986年にアメリカのファストフードの象徴であるマクドナルドがローマのスペイン広場に進出する計画を開き、これを阻止するキャンペーンを始めたところ、、これがたちまち全国規模に広がり、ファストフードの向こうをはって「スローフード」と名付けたことから生まれた。

■絶滅寸前であったさまざまな地域独自の食品を「プレジディオ」と名付けて保護する一方、出所の知れない食材を使ったファストフードに対抗するキャンペーンを展開し、今では全世界に「コンビビウム(共生)」と呼ばれる支部を設け、会員8万を擁している。

■スローシティはイタリアで「チッタズロー」と呼ばれる運動で、
・人口5万人以下に限定している
・州や地方の首都でないこと
・独自の食文化を持っている
・環境重視の姿勢を持っている 
などである。
幸せな生活を送っている市民のいるまちには自然に人々が集まるという思想である

■もう一つ注目すべき運動は「アグリツーリズモ」である。
・宿泊収入は全収入の50パーセントを超えてはいけない
・施設も旧来の農業用施設を修復して用いることなど
漁村でも漁師の家を使った民宿で同様なシステムが広がっており、これを「ぺスカツーリズモ」という。

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