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2020年を毎月1枚の写真で振り返る(1月-6月)

2020年大晦日。誰しも想像しなかった形で迎える2020年の最終日に、今年撮影した写真の中から毎月1枚をセレクトし、簡潔にその月に起こったことを振り返り、一年を眺めてみることにした。特異な1年だっただけに、日記ならぬ年記として半年ごとにまとめ記録しておくのも悪くないだろう。

1月

冒頭から個人的なことになるが、20年近く会っていなかった父が2019年1月23日に他界した。しばらくすると、父が滞納していた税金の支払い通知などが届き始めたので、一切の遺産相続の権利を破棄する申請のために父親の育った沖縄県は石垣島の役所に父親に関する公的書類を取り寄せた。その中の一枚に、父親の出生が台湾であると書かれた一文を発見した。父親が台湾生まれでその後沖縄に移住したことは以前母親から聞かされていたが、公的書類に記された台湾という文字を見て改めて感じるものがあった。そして、勝手に台北出身と思っていたが、それは思い違いでどうやら台湾中部のようだ。父親から直接聞くことのなかったその土地の風景をいつか自分の足で巡ってみたいと思っている。

2月

現在取り組んでいる「長崎アートプロジェクト じかんのちそう」の視察のために長崎市を訪問。滞在中、漁師の方にご案内頂き軍艦島に接近することができた。上陸は叶わなかったものの、軍艦島に関する漁師の方の個人的な記憶やその関わりが興味深く、風も強く寒い船上であったがその話に強く惹かれたことを覚えている。2021年3月に長崎市で展覧会を行うので、ぜひこの土地を訪れてほしい。

3月

清澄白河界隈に住む友人らと「清澄家」というローカルコミュニティをつくっている。1人の晩御飯が寂しい時に気兼ねなく誘えたり、小さな助けを求められる生活感のある温度でコミュニケーションができるコミュニティで、清澄白河で生活することを楽しくさせてくれる貴重な場である。今年は皆で「家族写真」を撮ろうということになり大きな桜の木の下で記念写真を撮ったのがこれ。奇しくも新型コロナウイルスが全国に拡大し緊急事態宣言が発令される一週間ほど前だったために、無事撮影ができた。今となっては半ば信じられないような気持ちになる。このコミュニティの面々の存在は、コロナ禍での生活の中でとても助けになった。「遠くの親戚よりも近くの他人」とはよく言ったもので、外出ができなくなったからこそ、隣人の大切さを改めて痛感した。

4月

非常事態宣言が発令され、外出自粛が要請される中で芸術により自分の周りの個人に繋がりを作ろうと試みたのが「今吉義隆の『土曜映画劇場』」である。映画や本をこよなく愛する友人の今吉さんに声をかけ、彼がキュレーションする映画をNetflixパーティーの機能を使い毎週土曜日に同時鑑賞し、観賞後にアルコールを片手に映画について語り合うという内容だ。彼が選ぶ映画はどれも素晴らしく回数を重ねるたびにメンバーも増えていった。同時にそこで知り合った方々の間で物々交換が始まったり、こういう機会がなければ生まれなかったであろう交友関係も生まれとても楽しいひと時だった。非常事態宣言の解除と共に終了したが、また機会があれば再開したいと思う企画だった。

5月

2016年に立ち上げた「ランニングと朝食」が4周年を迎えた。毎年この時期に行う周年ランは、イベント的な要素を込め1日がかりのものが多かった。2018年は「東京を遊ぶ」をテーマにランニングだけでなく、途中でバッティングセンターやパチンコに立ち寄り、最後は銭湯というコースだったし、2019年は「オレたちの東京オリンピック」と称し、駒沢公園など1964年の東京オリンピックの会場と、2020年の会場巡りなどを行った。しかし今年はコロナの影響でみんなで集まって何かをすることができなかったので、それぞれ個々で走りながらランニング中はzoomにログインしてもらいメンバーを繋げた。そしてその繋がり楽しくなるように、事前にアンケートを配り、メンバーのそっしーとみゆきがラジオDJのようにランニング中にアンケート内容を読み上げたり、リクエスト曲をかけるなどしてzoomを盛り上げた。コロナがなければ考えなかった企画だったし、実際に楽しかったので満足。本当なら今年はオリンピックで訪日される方に朝の東京を紹介しようとメンバーと共に本の制作を進めていた。オリンピックの延期と合わせて本の制作も延期しているが、オリンピックの有無に関わらずどこかで完成させたい。コロナ後にさらにメンバーも増え12/31現在で625名が加入するコミュニティに成長した。来年も引き続き活動をしていくので、興味のある方は気軽に参加して欲しい。

6月

他の写真との兼ね合いで6月の写真で選んだが、上半期最も印象に残っているのは毎朝のビリーズブートキャンプだ。6:00ごろ起床し、zoomで繋ぐ友人らと共に「ヨガ→ビリーズブートキャンプ」を5月初旬ごろからほぼ毎朝行っていた。曜日によってはその後にランニングや、別メニューの筋トレも入れるほどのめり込んでいて、1日の平均消費カロリーは1,000kcal以上だった。加えてプロテインなども飲んでたこともあり、この期間で随分と身体が大きくなった。日常が戻り徐々に忙しくなる中で活動が自然休止になってしまっているが、最高の朝だったことは間違いなく、2021年も再度この習慣にチャレンジしたい。

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ここまで1月-6月までを書いてみたが、振り返ってみると仕事関連が一件で、他は全てプライベートという結果になった。もちろんこの期間も仕事をしていたし、大きな決断をしなければならないこともあったが、やはりコロナ禍の中での活動やその中で生まれた習慣に関する写真を選びたくなることこそ、今年の特色なのかもしれない。

後ほど7-12月の写真を上げていくが、こちらは仕事がメインになりそう。非常事態宣言解除後に押し寄せる仕事をガシガシこなしていたら、あっという間に大晦日になってしまった。僕の個人史的な2020ですが、宜しければ後半もお付き合い頂ければ。

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