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「はるか先の線にそう」(詩)

あらゆるものを ゆったりと拒絶しようとして
押し戻そうとした 両手のあいだから
漏れていくものがある

白く濁るそれには
靄をつたう 光が混じる

その粒は小さく うたうように瞬いている

だから 目はしずかに潤み
鼻先は はじめて世界に触れたときのことを思い返す

ずっと先を揺れるやさしい闇がいた
与えるように そっと かわらない速度で 
手を振っていた頃が 今も岸辺に打ち上げられる

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