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「空白の味覚」(詩)

押し黙る空白は
何の味?
私は食べたいわ

だけど口を大きくひらくと
それはそろりと上手に逃げる
私の大口からは歌が走り上がってきては

さいごの尻尾までも逃がしてしまう
あぁ 何の味
私にはない
言葉にはない
言葉に包まれて息を通す私には
その空白が

どこか寒々とそして苦み走って
激しく甘いのだと
思い入れてしまうのだ

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