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「わたしの肌を織る」(詩)

花には成れなかった
黄金の鱗の魚にも
透けた羽を震わせる虫にも
私は成らなかった

あなたは
嘘の正直なひと
真っ直ぐに笑い
平らかに口を開いていた

蓮の葉には乗れなかったし
虹の欠片は落ちてはこなかった
猫の瞳の中には街灯は灯ることはなかった
だけど あなたの言葉はほんものだった

私に触れた魔法は生きている
この耳を撫ぜた風の声を捕えることも
遥かに遠い宇宙の足音さえ
私は受け取れる

あなたは
ほんものの嘘を吐けるひと
愛情を裏返さず
丁寧に肌に織り込んでくれた

あなたは
私だけの
嘘つきだ

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