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「ゆれるこえ」(詩)

私の身に
詰まった熱よ
蝶々のように
飛び立って
一羽も残らなくていい
いいよ
羽ばたきを少し落としていってくれたなら

私の頭に
ちかちかと鳴るいっぱいの星
寝転がるあいだ
夜へ逃げて
いいの
いいよ
穴だらけで結局 目の裏は星だらけだ

私の耳にゆれる
いついつの声
どうか
どうか
側にいて
他の何の音に伝ってもいい
この声だけ
そばにいて

名前をよばなくていい
言葉も薄れてしまってもいいから
この生のある果てまで
透明になって
波一つ立たなくなっても
いいから
いいのだから
どうか
生きている影でいて

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