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「とおい舞台の側を離れて」(詩)

どこにでも居そうで
ここにしかいない私は
私がひとりしかいない
他に代わるもののないために
売値はつかない

何処にでも居そうなのに
非売品の私は
いつまでも売られない
でもそれは大切なことじゃない
私が私の価値に頷くから

誰かに教えてもらってもいいけれど
本当の値段を知りたかったら
痛いのを拒まずに
ずっと奥 草の闇 花の裂け目 とまどいを踊り
その広々とした視点に立ち尽くすしかない

わたしは
いつまでも非売品

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