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「春に」(詩)

くっついて 小さくなった耳に
春は染み込む
剥がすのが いたくないように
土は湿り気を帯びていた

できるだけ滑らかな歌が
あざやかさを怖がらないように

すこしばかりぼんやりとして
さきに肌が春を欲しがるように

指先は
仄かに明るく包まれる

たしかに喜びは小さくなった
けれど 
とびあがっても溢れないように
しっかりと根付いて
私は春の一部と続いていた

立派な
瞳の縁を泳ぐ

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