「雪は消える」(詩)

雪の呼ぶ声が耳をつまんだ
小さな音だ
気にかかって 首をふると
消えてしまうような

詩のように儚い
けれどたしかに一片
私の一点の熱を持ち去る
あとかたも残らないのに

白だとか灰色だとか
結晶は触れた声に
形を震わせる
それはまるで想う姿のようだ

私の振り向いた先
風の中 光を反す一片
会いたかった
そう言い終える手前で

雪は瞬いて
消える

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