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「灯火」(詩)

蝋燭の火がある
弱弱しい光だ

尽きぬ油などないというのに
芯に縋りいて燃える

風の心に揺れ
雨の涙に震える

そんな火の一点の熱が
愛せる影はどれほどの狭さだろうか

それは
弱さを愛する必要を強いる

生きることが許していく行為ならば
たったひとつの灯火であることは
私に
私を愛することを許す

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