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「からだといく」(詩)

赤い屋根を脱いで
古びた壁を手ではらい
指に絡みついた蔦を
指輪にして 陽にかざしてみる

私は歩いてみたくなり
思い出の埃を
頭を振って軽くしては
風をとおした

背の高い私はどこまでも見渡せる

哀しい膝を撫でてやり
足の爪に入っていた雑草をつまみ
閉じこめられていた内臓に
新鮮な水を探しにいこう

森も砂漠も海も正しさも
月も夢も噂も見計らいも
当てには少ししかならないのよ
私は私の眼を信じて

ずっととおく
すぐに遠くへ

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